秋田美人は真実・・・・
2010年1月28日 0:19
手紙が届いた。
宛名の文字に見覚えが無かった。ところで差出人は・・・・
あぁ12月中旬に訪問した秋田の方からだった。
今頃秋田は雪が積もっているのかしら・・。
やり取りはメールか、あるいは封書であってもワープロ記入の昨今、お人柄がにじみ出る文字で綴られた手紙は、胸がジンとあつくなる。
思い出す・・秋田。人々とのふれあい・・。
秋田には知り合いが沢山いる。一般にお米の美味しい場所は、水がきれい、野菜がきれい。そして秋田美人は特筆もの。人体の60%は水で出来ている。野菜の90%以上は水で出来ている。
きれいなものを食べれば綺麗になる。きれいなものはキレイな場所で作られる。
綺麗な人が沢山いる秋田。綺麗のDNAをきれいな場所で磨いている。
秋田市内の「お多福」で一杯。
余計なものがない。素材で食べる。素材が美味しい。
漬物が特別。化学調味料の味がしない。長い冬を暮らす先人の知恵。名物「いぶりがっこ」はいわば野菜のスモーク。大根は定番だが人参もいける。これがまた日本酒に合う。長老喜(ちょろぎ)は貝を思わせるユニークな形。
ナタ漬けは粕の甘さに包まれているが、マイルドな味は「切れの悪いナタ」にある。シャープに切れると大根の細胞壁が切れる。そうすると大根の辛味成分が空気にふれてどんどん変化する。切れないナタは細胞壁をつぶすように切る。細胞壁にほどよく亀裂が入り、味がじっくり染み込む。さらに人の口のなかで咀嚼されて唾液に少し消化されながら、一つの味の宇宙が広がる。すべて異なるそれそれの瞬間の味。
唾液がジュッと出たところで日本酒を。
驚いたり喜んだり怒ったりしながら過ごした金曜の秋田の夜。
カウンター左手で見守っていたのは、お多福さんだった。
「お多福さんはお母さんといって昔は五徳の美人だったそうです」からはじまる文章。先代の女将が掲げた美人の概念であるそう。
ひろいおでこは「おおらかさ」
たかいほっぺ「包容力」
見開かない目「やさしさ」
口もと「性格がわかるくらいに、微笑をたたえていなければならない」
低い鼻「謙虚」つまり天狗の逆
そして最後に結んだ文章。
私は鏡の上にお多福さんの面をおいて鏡をみるたびに今日も一日お多福さんのように美しく生きようと祈っています。
そうか・・・自信がなくなる。私の外見はお多福さんと対局の顔をしている。「アンチエイジング医学で綴るビューティフル・ライフ」なんてタイトルで講演していたが、科学的な美の説明では限界を感じていた。お多福さん、ありがとう。
そんな話をお店のご主人としながら頂いたメニュー。
名物ハタハタ。塩焼きにしたハタハタの内臓には卵がずっしり。そしてこの時期(12月中旬)粘る。野菜の粘りとは強さが違う。恐竜映画で卵から孵化するシーンを連想させる。好みがあるので苦手な人はあらかじめお店の方にご相談を。
きりたんぽ鍋。うるち米の粒粒が残るお手製きりたんぽは市販の練り物とは味も食感も異なる。ゴボウと鶏肉と舞茸の風味が「あ~日本人の好きな取り合わせ」。注目はのっかった根っこ。せり根である。私も昨年から健康食材として注目していたが、宮城や岩手のせりと根が違う。細くて白いのだ。
「根を歯ブラシでごしごし洗うのが大変なんですよね」との私の発言に、ご主人
「え~皆そういうんだけど、そんな事ないよ!」
うーん、納得がいかない。明日は五城目朝市へ行く予定。
まずはこの目で確認だ!
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