人類未経験の低線量放射線被ばく:食事からの対策

2011年6月9日 6:17

結局、福島原発の事故処理も長引き、私たちは住んでいる環境にもよりますが、大なり小なり低線量の放射線を長期間被ばくし続けなければならなりません。

被ばくは「このくらいなら大丈夫」については結論が出ていません。年間100ミリシーベルトまでなら?20ミリシーベルトでしょう?いやいや子供たちは1ミリシーベルト・・・。これらは「管理の基準」となり、行政などの仕事内容がかわる(すなわち税金の使い方がかわる)ので、すべての人にあてはまりませんから、自分なりの基準でこれからを過ごせばよいのではないでしょうか?それをほかの人に押し付けるのは今やナンセンスかもしれません。

ともかく、環境(外部被ばく)のほかに食べ物(内部被ばく)にも考慮が必要になってきます。お茶でも原発から離れた場所で出荷制限が出されています。


一日に必要な食材の数々。私たちの食材はどこでどうやって生産されたか・・・今回の放射能汚染のことは抜きにしても、良く見渡してほしい項目です。

放射能汚染(があったとして)の食材の取り扱いは「基本は和食」。
最近はもっぱら半減期が長いセシウムとストロンチウムが問題となっています。野菜であれば土をとり、水で洗い流し、茹でこぼす。キャベツなどの結球野菜は外側の葉っぱを23枚捨てる。

野菜の場合、飛散してきた放射性物質が表面に付着する。収穫に時間がかかる野菜やきのこ、お茶に多く集積してしまう事が多い様です。
土壌から根の吸収により吸い上げられて野菜内部に集積してしまう。ほうれん草にややその傾向がありますが、基本的に茹でて食べるので、その点からは気にしなくて良いでしょう。

塩水につけておく、これは浸透圧を利用して内部の放射能物質を外に出すという理屈で、魚や肉などで応用します。

しかし、いずれも内部から外に出すという事だから、他の栄養素も出てしまいがち。特に野菜のアントシアニン等の水溶性の植物化合物、ビタミンB,Cなどの水溶性ビタミンは水や熱処理に弱いのです。

何をどう食べますか?
1. 輸入野菜のみ食べる。
2. 自分なりに安心できる産地から直接取り寄せる。
3. 野菜は食べない。
4. 自分は生殖年齢を過ぎたから、気にせずいつも通り食べる。
5. 海産物も輸入品だのみ。
6. その他・・・。

それでもある程度の被ばくは避けられません。

被ばくが遺伝子DNAにエラーを起こすとして、そのエラーはほとんど自分の力で修復できます。エラーは被ばく以外でも日常的におこります。しかしエラーが頻繁におこると修復に失敗した結果、細胞がガン化するといいます。

エラーをなるべく起こさない、そしてエラーを起こす引き金になる物質を除去する、抗酸化物質を摂取する、この二つに尽きると思います。

外から取り入れることができる抗酸化物質。ビタミンCE,β-カロテン、フィトケミカル。すなわち、色や香り、味がしっかりした新鮮野菜に豊富です。それからお茶や赤ワインなどのカテキン。抗酸化物質はいろいろな種類が作用しあってよい働きをしますから、サプリメントからの摂取はむしろ危険になることもあります。要注意です。

食をバランスの良い状態にすることは、自分磨きの大きなファクター。生活習慣病疾患リスクも軽減。そうすると放射線被ばくも「ホルミシス効果」などと「良い印象」を持つものに変わるかもしれません。


病院食。栄養価は計算されていても、食材は意外と吟味されていません。


和定食屋さんの焼き魚定食。和定食でもメインの魚はアラスカ産。今の魚市場の現実。

この食事を人任せにしない。そういているうちのアンチエイジングなあなたの未来が見えてくるでしょう。


器に放射線量をカウントする機能をつけると、線量を把握できるかもしれませんが、「安心」「不安」が収束つかなくなり、神経質になってむしろ不健康かもしれません。


不機嫌は不健康でもあります。反対にご機嫌は健康のファクター。放射能対策もほどほどに。

 

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今日は131ヨウ素がただのヨウ素になる日・・・のはずだけど。

2011年5月30日 15:59

原発事故直後、小さな子供たちののどに緊急スクリーニングのための放射線カウンターがあてられたという。担当の医師は、カウントするたび、問題のない数値を確認し、その都度、安堵の涙がこぼれたという。あれから二か月半あまり・・・。

予定なら、それ以上の飛散がなければ131ヨウ素の放射能はほぼ完全に減衰し、ただのヨウ素になっているはず。ヨウ素は甲状腺ホルモン合成に必要だ。なくても困る。

セシウムは半減期が長いのでこれからも問題となるのだろうが、体内での動きが良くわかっていないし、移動や排泄も早いと言われている。しかしどこかの臓器に大量に集積していれば低線量ながら長期間の被ばくが懸念される。もしセシウムに体内での効用があったなら、話は別かもしれない。最近の食品衛生法で定められた基準値を超えた・・・と発表されるのはセシウムが多いのは、この半減期の長さからカウントされることが多くなったから。梅の実や、少し前なら1番茶で基準値を超えたと報道された。

生活環境で言えば、文部科学省は子供の一年間の被ばく量目安の20mSv以下を、1mSv以下を目指す!と方針を変えたという。目標値を掲げると、それを遵守することを求められる。その線引きの判断はさまざまな要素を念頭にいれなければならない。そうなると窓を閉め切り屋外活動は制限され、子供たちの精神状態も心配になってくる。夏休みは集団で北東北においでよ!そういってあげたくなる。




三陸産ワカメ。しばらく手に入りにくいだろうな・・・。しかし海上の汚染マップを見るとこれがまた悲しくなる。ワカメのヨウ素、震災前に加工されたワカメを食べて、しばし幸せだった食生活を思い出すことにしよう。

プランツ、ヒト・・・地球上で共存していく二つの「生命体」。いとおしくなる。


そういえば最近ヨード卵を見かけていない。

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食中毒 food poisoning も大問題・・だけど食と放射線防御の基礎知識

2011年5月6日 6:20

食中毒 food poisoning も大問題・・だけど食と放射線防御の基礎知識

これまでも食と安全を考える時
1. 栄養価
2. 細菌などバクテリア
3. 重金属
4. 農薬
5. 食品添加物
などを考慮してきました。今後は
6. 放射能汚染
についても知っておく必要があります。

ユッケを食べて命をとられるなんて・・・毒をもられたようなものです。でも生食の場合、鶏肉などはかなり厳格に扱っているはずなのですが、牛肉は?レア大丈夫、なんて少し気が緩んでいたかも?

ここでは放射線の基礎知識を説明します。
放射線は身近な存在で、自然界にもともと存在する自然放射線(宇宙、大地、ラドン、食物から)人間が作り出した人工放射線(病院のX線検査や原子力発電所など)があります。

放射能とは、原子核が放射線を出す能力のことで、放射線とは、原子核から放出される電磁波や高速の粒子のことです。
α線、β線、γ線が身近なものでγ線はX線と考えてください。

放射線の性質
1. 透過作用
2. 写真作用
3. 蛍光作用
4. 電離作用
5. 生物学的作用:細胞(特に遺伝子)に傷をつけ生体に影響を及ぼします。

放射線の人間への影響
放射線を受けた身体自体への影響と子孫に対する遺伝的影響がある。
遺伝的影響とガンは被ばくした放射線の量の増加とともに発症確率が増加します。少ない量の被ばくでも影響が生じる場合もある、ということです。
一方その他の身体への影響として放射線の強さによって臓器障害の程度が異なります。ある一定値までは放射線によって生じた影響が自然回復をするので問題になりませんが、その値を越すと傷害の程度は放射線の強さに比例します。
累積線量100ミリシーベルト以下なら健康への影響はないと言われています。

放射能の単位
放射能:Bq(ベクレル)→水や野菜、牛乳などの放射線量を表す時に使用
吸収線量:Gy(グレイ)放射線が人や物に当たった時にどれくらいのエネルギーを与えたのかを表す単位。がん治療の線量10Gyなどと表現します。
線量:Sv(シーベルト)放射能が人に対してがんや遺伝的影響のリスクをどれぐらい与えるのかを評価するための単位です。
牛乳300Bq/リットルを1200cc1か月のみ続けると0.04mSvの被ばく、という表現をします。
0.1Gy100mSvはほぼ同じレベルと考えてください。

外部被ばくと内部被ばく
[外部被ばく]
自然界からうける放射線と最近では原発事故で大気中あるいは土壌に飛散した放射性物質からの被ばくをいいます。日本では1人あたりの自然放射線は年間1.5mSv、世界平均では年間2.4mSvです。飛行機に乗ると東京―ニューヨーク間往復で0.1mSv被ばくします。
日常に、ごくありふれた放射線ですが、原子力発電所の事故による放射性物質の漏えいの問題を追加しておく必要があります。事故後315日―23日にかけて福島県外でも1.0マイクロシーベルト毎時(マイクロはmミリの1/1000)カウントされましたが一時的でした。岩手県では現時点で影響はありません。
[内部被ばく]
食べ物、飲み物に付着した放射性物質を体内に取り込んだ時に身体の内部から被ばくすることを内部被ばくといいます。普通の食物もごく微量の放射線を持ち年間0.3mSv体内に取り込まれています。
今回、原発で大気中に飛散したり土壌にしみこんだ放射性物質、そして事故処理後汚染水として海洋に放流された放射性物質は自然界を循環しますが、放射性物質は日々減衰しますの。ただし半減期(放射線の力が半分になる時間)が長いものがあるので、こちらはこれまで通り日々モニタリングされ報告されていくことになります。

放射線防御に関する国際的な取り決めは国際放射線防御委員会(ICRP)で執り行われています。これに則りさらに国内法として日本の放射線防御の指針が決められています。ICRP2007年の勧告では非常時の放射線の管理基準は平常時とは異なる基準を用います。
1) 平常時:年間1ミリシーベルト以下に抑える。
2) 緊急事態期:事故による被ばく量が20~100ミリシーベルトを超えないようにする。
3) 事故収束後の復旧期:年間1~20ミリシーベルトを超えないようにする。
 よって現在の福島第一原発の状況は2)の事故収束後の復旧期にあたります。1日も早く年間1ミリシーベルト以下にしなければなりません。


外部被ばくに関しては、戸外の放射線の積算量(日々カウントして期間内の放射線量を計算する)は原子力安全委員会が試算しています。岩手県ではこれまで変化はないようです。

内部被ばくに関しては食品や水に暫定基準が設けられます。国によって若干の基準値の違いがあります。いずれもかなり厳格な数値で、基準値以下の野菜であれば、一生食べ続けても健康被害は生じません。
受ける放射線量(マイクロシーベルト)=実行線量係数(子供は数値が高い)X放射能濃度(ベクレル/KgX飲食した量(kg)
 
 つまり水1kgあたりにヨウ素-1318.59Bq(ベクレル)、セシウム-1370.45Bq含まれていると仮定し、その水を11.65リットル29日間飲んだ場合、放射性物質から受ける放射線量は
 ヨウ素-1310.22(成人)X 8.59 X 1.65 X 29=9.0 マイクロシーベルト
セシウム-1340.013(成人) X 0.45 X 1.65 X 29-0.28 マイクロシーベルト 
合計9.25マイクロシーベルトとなります。
ミリmSvとマイクロ(μ)シーベルトは桁が違います。

ただし乳児や子供は放射性感受性がたかく、遺伝情報への影響が完全に否定できていない以上は、少しでも放射線を防御したほうがベストです。

放射性物質は放射能がどれだけか、ということ以外に体内に入り込んだ時の動きが解っているものと不明なものがあります。半減期が長い物質が長期間体内にとどまると、日々減衰しますが内部で被ばくする期間も長くなります。
ヨウ素131、甲状腺ホルモンの材料であるヨードと同じ動きをします。甲状腺にとりこまれる傾向があります。
セシウム:カリウムと同じ動きをするといわれています。体外への排泄も早いと言われています。
ストロンチウム、プルトニウム:骨にとりこまれるといわれています。

同じ放射線量の被ばくでも長期間にわたって被ばくするのと、短時間に大量の被ばくをするほうが放射線の影響が少ないと言われています。現時点では事故後の放射線被ばくによるがんリスク上昇は心配されていません。それでも放射線の生物学的な影響は完全に解明されていないので少しでも被ばく量は少なくするように努力するということが常識です。

不妊はかなり大量の被ばくをしないとおこりません。

がんリスクは放射線被ばく以外の影響の方が大きいようです。
例えば野菜不足の発ガンリスク上昇1.06
100200ミリシーベルト被ばく  1.08
運動不足            1.19
肥満              1.22
2000ミリシーベルトの被ばく   1.6
喫煙、毎日3合以上の飲酒     1.6

ガンは様々な因子が複雑に絡まりあって発症します。健康に留意しなければならいことは放射線よりもそのほか沢山あります。それから昨年、熱中症で亡くなられた方も多かったので、電力不足の今年の夏はいろいろと対策が必要なようです。生き延びるのはいつの時代も困難を極めます。

ラベル:

放射能を気にされる若い女性へ

2011年5月2日 17:00

「結婚して子供を産むという夢がある」「原発事故で住む所さえない。戦争の時よりひどいと言うお年寄りもいる」。福島県飯舘村と川俣町で30日開かれた東京電力の住民説明会。住民から原発事故への怒りや生活面での困窮を訴える声が相次いだ。

 飯舘村の中学校の体育館フロアは、大勢の村民で埋め尽くされた。鼓紀男副社長ら東電幹部5人は返答する際に立ち上がる以外は、終始正座したままで質疑に応じた。

 質問に立った高校1年生は「子供が産めない体になるのではないかと不安」と訴えた。東電側が「いろんな対策を取り、そうならないように努めています」と答えると、渡辺さんは「だったら、もっと早く避難を呼び掛けてほしかった」ときっぱり。参加者からは大きな拍手が起きた。

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若い女性の不安は良く解ります。本当に心配だと思います。

卵巣が機能しなくなるのでは?という不安、卵子の遺伝情報が傷つくのではないか?という不安。

卵巣が機能しなくなる、すなわち不妊は一時的不妊と永久不妊があって、いずれもしきい値が設定されています。1度にかなりの量の被ばくをしないかぎり問題ありません。

遺伝情報への影響はどんな状況でも「絶対安全」ということは無く、この観点からは「少しでも被ばくを避けるべき」という事は正論です。ただ言えることはこれまで医療現場で女性も通常業務し、ずっと追跡調査されていますが、奇形児の出産が多いとか、そのような事実は全くありません。

かつて「放射線科医の子供は女児が多い」という仮説で調査された先生がいらっしゃいましたが、まったくそのような事実はなく、一般と同じくごくわずかに男児の割合が多い、という結果になりました。

最近の不妊の傾向、出産の決意を比較的高齢になってから決断される方が多い、ということ。妊娠出産はやはり20歳代がベスト。一番きれいになる時期は繁殖のシーズン、というのはすべての哺乳類にあてはまるでしょう?高齢になるほど卵子も子宮も加齢が進むし遺伝子異常の発現も心配されます。

それからここは強調したいのですが、妊娠期のごく初期に葉酸が欠乏すると胎児奇形(神経管閉鎖不全)が生じます。卵子も子宮も妊娠の状況もベストでも、たった葉酸の欠乏一つでこのような不幸が・・・。中国、アメリカは一般的な食材にすこし入れられていて(行政の指導)、この胎児奇形は減少傾向です。しかし日本にはこの指導がなく、神経管閉鎖不全の胎児は全く減少していないのだそうです。

ですから質問された女子高校生さん、これからはバランスのとれた食事を心がけ、健康に留意されて病気で放射線検査を受ける事態を予防し、時期が来たら良い恋愛をして結婚して、大好きな人の子供を授かりましょう。

東電の「そうならないように・・・」は「これ以上の事故の拡大を防ぐ」ということ。

「そうなる前に避難すること」はこれからの日常生活に沢山潜んでいます。

この高校生にはこころから幸せになってほしいです。うちの娘と同じ年齢。こうして自分の意見をはっきり述べる彼女に敬意を。

ラベル:

食と放射線被ばく Q&A

2011年4月30日 23:51

福島県在住のお母さんからの給食再開の心配に関しての質問。
いわき市の給食に福島産の牛乳と食材が使われると聞きました。
その理由としていわき市の市長さんは、「福島産の牛乳や食材は危険だという風評を払拭するため」
と言われたようです。

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お母さんがご心配されていること、心より共感いたします。自分の子供のために少しでも安全な場所、安心な場所でくらしたい、食べ物を選びたいという事は当たり前の気持ちです。

いわきの大気中の放射線量、これは外部被ばくにかかわります。モニタリングされており、ここに留まっても大丈夫と判断されているので避難勧告はだされていないのでしょう。原発からの放射線量はかなり減少しているでしょうから、海水への汚染水以外は日々減衰しているはずです。

土壌や水の放射能汚染はこちらもモニタリングされています。

放射線被ばくを1ミリシーベルトに抑える、これは平常時の管理目標で、こちらはかなり厳格な上限です。事故収束後の復旧期は1~20ミリシーベルト/年間に抑えるという基準ですので、現在はこの状況下であると言えます。

こういった基準はこれまでの事故や原爆後の膨大なデータからはじき出された基準値で、科学的な根拠に基づいています。放射線業務にたずさわる人々も基準に沿って(ただし一般の方がたより基準値設定が高い)安全に業務ができるようにされています。

科学には100%は存在しません。100%の安全はありません。しかし100%の安心は個々人の問題ですから、工夫次第では得られることができます。

子供の放射線への感受性は高いので、少しでも被ばくを少なくする、という事は間違いありません。ただこれまでの累積データを総合的に判断して現時点で健康被害がでる状況ではないので行政としての判断は間違いではないでしょう。

行政の判断と行動で間違いだった、というのは「給食を強要した」という事実だと思います(本当に強要したのでしょうか?)。かつてアレルギーの子供たちが「給食を残さないように」と指導したところ、アレルギー反応を起こす子供が出た場合の学校現場の対応が問題になりました。食育現場でよく問題あつかいされるのが「食の廃棄」です。給食を残してはいけない、と強要されていないはずです。

外部被ばくはそこに住む以上さけられませんが、食事、水などの内部被ばくは自己の選択によることにります。その選択肢について「話し合う」必要があるのです。いままで給食について話し合ったことがございますか?これまでも食育の点からかなり多くの問題を抱えていたはずです。

地産地消の栄養学的メリットは野菜の栄養価の消耗が最小限ですむことです。2-3日経過した野菜の栄養価は半分以下になっているといわれています。野菜摂取の減少もガン発症のリスク上昇としてはっきりしています。この1点だけみてもリスクと利益をはかりにかけて自身で判断されることだと思います。

お母さん、今、日本は有事です。いわきの人々が地元産の食にどのような判断をするか、どのような言動をとるかを日本中の方々が見ています。そして日本の国民がこの事態にどのような行動をとるか、世界中の人が見ています。

お母さんと私たちは状況がことなりますが、子供の未来のためにそれぞれの立場でベストな行動を選択していきましょう。なによりお母さんの幸せな笑顔が子供にとっての一番の安らぎです。

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表面積と出荷制限野菜

2011年4月28日 11:25

身体の外表面から放射性物質を浴びる事が外部被ばく、放射性物質を摂取することによって身体の内側で被ばくすることを内部被ばくといいます。放射性物質からうける影響(実効線量)は積算値としてカウントされ、健康への影響を予測します。実効線量(係数)は子供と大人で大分異なります。

食事、水、呼吸・・内部被ばくはおもにこの3つです。戸外の大気中の放射性物質からが外部被ばくです。

事故以来、大気中、土壌に放射性物質は飛散・浸透していますが放射性物質の付着した粉塵が生育中の野菜に付着すると暫定基準値を超えることがあります。

よって葉野菜の露地もののカウントは高くなります。表面積が大きいと飛散している大気中の放射性物質が付着しやすいのです。出荷制限を受けた野菜に葉野菜が多かったのも理由があります。


それから原木しいたけ(露地)。最近のしいたけは菌床しいたけでエノキみたいに水と温度だけで生産されたブヨブヨしいたけが主流なんですが、この原木しいたけ、身が締まって食べるとキュキュっと、うま味がぎっしり詰まっている、マツタケより美味しいキノコなのですが・・・。ちょっと規制の対象になってしまった産地も多かったですね。

非結球性野菜、結球野菜、つまり「たま」になっているかどうかの分類で提示されていて興味深かったですね。非結球性葉野菜のリストを見ると実にさまざま。くきたちな、べかな、フダンソウ、さいしん、カブレ菜、ウルイ・・・そしてべんり菜、信夫冬菜、ここまでくるとイメージが湧かない。花蕾野菜は以前の野菜王でもとりあげました。


野菜って本当に種類が豊富だと、皆さんが気づいたことでしょう。

根野菜はそういった点、指定になるものは少なかったですが、カブは葉っぱごとカウントしたために暫定基準を超えてしまったものもあるみたいです。実はカブの葉っぱって美味しいのですよ。野沢菜もカブの一種ですから。

体表面積の大きな方(肥満の方)は、もし大気中の汚染物質が多ければ外部被ばくが、ごくわずかに増える程度です(実行線量を計算すると無視)。同じ場所にいる体格指数正常範囲のヒトと比較して、健康障害のリスクが高くなるという話ではありません。肥満のヒトが環境は関係なくがん発症リスクが高いということですよ。

放射性物質にも半減期(放射能が減衰して半分量になる)が長いものと短いものがあり、付着後いつカウントしたかもデータに影響します。冷凍食品になれば保存しているうちに徐々に減っていきます。

ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料で甲状腺に取り込まれます。しかしヨウ素―131は同じヨウ素でもβ線を出すので、とりこまれると内部被ばくをおこします。あらかじめヨウ素のカプセルを内服することで甲状腺のへ取り込みを抑える方法もあります。セシウム、ストロンチウムなどは体内での動きがよくわかっていません。こちらはヨウ素の予防的投与は効果ありません。半減期が長いものの体内蓄積が問題となります。それ以外の放射性物質もどういった動きをするのか不明なものが多いのですが、重金属もあるので体内には少しでも入れない方が良いでしょう。

食物繊維を沢山とって、体外の排泄を促進しましょう。

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被ばくと肥満の発がんリスク:それは体表面積ではなくて・・

2011年4月26日 23:14

なかなかうまくいかない肥満の方の指導。

国立がんセンターの研究チームがこれまでの発表論文や国立がんセンターが実施してきた疫学研究をまとめて、低線量の放射線による影響と、生活習慣によるがん発症の影響と比較検討した結果が公表された。

健康に影響が出るといわれる100ミリシーベルト~200ミリシーベルトの被ばく、こちらはがん発症リスクが1.08倍になる。野菜不足だと1.06倍とほぼ同じ。驚きでしょう?

肥満だと1.22倍という・・これは注目だ。塩分摂りすぎは最大1.15倍、ちなみに喫煙は1.6倍。

今日BMI49という肥満の男性の指導をすることに・・・。
100ミリシーベルトの被ばくより肥満の方が、がん発症リスクが高いのですよ!
「えーーっ、それって体表面積が大きいからですか?」
「・・・・・・・」

科学情報をもとに説明するのもなかなか大変です。リスクは影響指標、ものさし、みたいなものです。

肥満の方、自分で料理できないし、せめて朝食だけでも、なにか簡単に食べられるものを・・。



雑穀シリアルに牛乳少しとフルーツ、野菜サラダと山葡萄ジュース。これは放射線を気にされる方へのおすすめ食材。そして盛り付けて、洗ってちぎって食べるだけ。電力不足のこれからを乗り切る食材でもあります。

ひと花やさい http://doctor-ls.com/hito/
電話 08018292611(火曜日から土曜日12時―16時半受付です)。売上は野菜王プランツ・プロジェクトに利用されます。


それからクレソン、肉料理の多い方に。

体表面積ねぇ。

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飛び交う情報とどのように付き合うのか?

2011年4月25日 7:20

心底、穏やかに暮らすなら放射能飛散も少なく、酸素も水もきれいで、余計な情報も入ってこないネットが繋がらない、そして避暑地となる場所を確保しておくことをお勧めします。4月中旬で残雪が・・・。

新聞、雑誌、ネット・・健康情報や、最近では放射能と健康の関連記事が多い。そのたびに「どうなの?」と質問されても、正式に答えるとメディアに登場する方々と同様の表現で答えざるを得ません。・・・の可能性がある。・・・は否定できない、などのまどろっこしい発言にとどまる。「だからいったいどうなのだ」と言われてしまいそうです。

いろいろな科学論文があって、それらを集積して(積み重ねて)解析して、一つの結論について「重みづけ」をします。Possible, likely, definiteという決まり文句があります。たとえば「人間の文明生活が排出する二酸化炭素は地球温暖化の原因である」という論文を集めて解析し(メタ解析)、最初は「たぶん可能性あり」とう事であったが、数年後は「確実に」温暖化の原因になっている、と格上げされた。

そもそも科学に100%0%は無い。原子力とか放射能を学校で教えてくれないし、むしろタブーの領域だったような気がします。

根拠ある結論をできるだけ選び、それに基づいて指針を作成したり、判断に役立てます。放射線量の管理についても今回の原発事故のための管理指針ではなく、原子力を利用していくにあたり管理基準がすでに設定されています。幅があって一般人と放射線業務にかかわる人でも異なるし、平常時と事故収束後の復旧期間、緊急時でそれぞれ異なっています。被ばくはわずかでも少ないにこしたことは無いので平常時は医療被曝以外の放射線利用による被ばく量は1ミリシーベルト/年以下に抑えるように努力がなされているが、これらは国際放射線防護委員会ICRPで決められています。

それでもこれまでの歴史をふりかえってみよう。薬害エイズ、C型肝炎、B型肝炎、アスベスト・・・。後になって判明したことは実に多く私たちはいつだって未知なる世界を生きているのだ。そして日本という国で生きていて、その国が有事なのだから、国の指針で生きていくしかありません。日本という国に絶望するなら海外で暮らすしかないでしょう。念をおすが絶望する必要はありません。

健康を害するファクターは多数存在します。塩分を多く摂取している日本人男性は胃癌のリスクが高いし、肥満もがんのリスクを高くする。紫外線も皮膚がんのリスクを上昇させる。健康に影響するいろいろな事実をすこしずつ抱えている。今回は放射能としばしお付き合いするということだ。

根拠に基づく情報の判断では、経験談は考慮されません。

しかし新聞に掲載された広島の被爆者の発言
当時、草木はもう生えてこないと言われた。でも翌年は種を蒔いて収穫して食べ繋いだ。そして私は生きている。

どんな科学論文や権威者の発言より力強く心に到達する。

さて電力不足が想定される今期の夏の快適な場所の確保のために、普段からなるべく足を運んでコミュニケーションを良くしておく。地方でも良い飲み屋さんもたくさんあり、生活も寂しくありません。酸素濃度日本一、水がきれいな街、岩泉町。

シンプルなもつ鍋

パスタは地元産の原木しいたけとアスパラガスがうなるほど美味しい。

一時的でもふらり旅でいらっしゃいませ。優しいスタッフとの会話、体内の酸素と水を入れ替えただけで心と体が軽くなるはずです。

ラベル: