表面積と出荷制限野菜
2011年4月28日 11:25
身体の外表面から放射性物質を浴びる事が外部被ばく、放射性物質を摂取することによって身体の内側で被ばくすることを内部被ばくといいます。放射性物質からうける影響(実効線量)は積算値としてカウントされ、健康への影響を予測します。実効線量(係数)は子供と大人で大分異なります。
食事、水、呼吸・・内部被ばくはおもにこの3つです。戸外の大気中の放射性物質からが外部被ばくです。
事故以来、大気中、土壌に放射性物質は飛散・浸透していますが放射性物質の付着した粉塵が生育中の野菜に付着すると暫定基準値を超えることがあります。
よって葉野菜の露地もののカウントは高くなります。表面積が大きいと飛散している大気中の放射性物質が付着しやすいのです。出荷制限を受けた野菜に葉野菜が多かったのも理由があります。
非結球性野菜、結球野菜、つまり「たま」になっているかどうかの分類で提示されていて興味深かったですね。非結球性葉野菜のリストを見ると実にさまざま。くきたちな、べかな、フダンソウ、さいしん、カブレ菜、ウルイ・・・そしてべんり菜、信夫冬菜、ここまでくるとイメージが湧かない。花蕾野菜は以前の野菜王でもとりあげました。
根野菜はそういった点、指定になるものは少なかったですが、カブは葉っぱごとカウントしたために暫定基準を超えてしまったものもあるみたいです。実はカブの葉っぱって美味しいのですよ。野沢菜もカブの一種ですから。
体表面積の大きな方(肥満の方)は、もし大気中の汚染物質が多ければ外部被ばくが、ごくわずかに増える程度です(実行線量を計算すると無視)。同じ場所にいる体格指数正常範囲のヒトと比較して、健康障害のリスクが高くなるという話ではありません。肥満のヒトが環境は関係なくがん発症リスクが高いということですよ。
放射性物質にも半減期(放射能が減衰して半分量になる)が長いものと短いものがあり、付着後いつカウントしたかもデータに影響します。冷凍食品になれば保存しているうちに徐々に減っていきます。
ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料で甲状腺に取り込まれます。しかしヨウ素―131は同じヨウ素でもβ線を出すので、とりこまれると内部被ばくをおこします。あらかじめヨウ素のカプセルを内服することで甲状腺のへ取り込みを抑える方法もあります。セシウム、ストロンチウムなどは体内での動きがよくわかっていません。こちらはヨウ素の予防的投与は効果ありません。半減期が長いものの体内蓄積が問題となります。それ以外の放射性物質もどういった動きをするのか不明なものが多いのですが、重金属もあるので体内には少しでも入れない方が良いでしょう。
食物繊維を沢山とって、体外の排泄を促進しましょう。
ラベル: 放射線防御と食の基礎知識