少量の放射線被爆だって毎日続けば・・・の不安

2011年4月20日 0:42


暫定基準値を超えていない野菜なら毎日食べても大丈夫、と説明してきました。では弱い放射線を長く浴びるとどうなるのかな?

一度に多くの線量を被爆した場合・・こちらは原爆被爆者の追跡調査からですが、線量が多いとがん死のリスクは高くなります。それでも今回の件は、少なくても原発の施設周辺以外では問題のない線量です。(原発周辺の線量は不明で判断しかねます)

世界的に見ると自然から比較的多くの放射線を年中浴びている地域があり、インドの例を見ると年間10-20ミリシーベルトの放射線量を浴びていて、ここでは世界平均の実に5-10倍ですが、この地域住民のガン死のリスクの上昇は確認されていません。

これは諸説あるようですが、低線量の放射能が免疫機能を高めるという説、放射線によるDNAのダメージより修復力が勝るために、影響がなくなる、といわれています。

このような事よりも、事故後の処理が長引いていることの不安が、最も国民の健康状況に不安を与えていることは間違いないことのようです。

それよりも許しがたいのは、なにかあるとガタガタ騒いでいる消費者の皆さん。安心で安全な食材を求めるなら普段から産地に足を運んで生産者の支援をするとか、少々値段が高くても満足のいく食材を購入する肝っ玉ぶりを見せて欲しいです。

安くて美味しくて安全な食材?これまで生産者がどんな苦労をして出荷していたか、皆さんはご存じだろうか!知識のない人が自分の不安を言葉で発することで、傷つけられている誰かがいる事を忘れないでほしい。

もっと強く言えば、そんなに不安で心配なら黙って(意見を述べずに)購入しないでほしい。意見をするならそれ相当の責任をもってくださいな。

そしてもと放射線科医の私。仕事をするうえで放射能は毎日のお友達。仕事上ちょっとづつ被ばくする。患者さんのいのちを救うために、患者さんの不安を解消するために被ばくしている。それはこれまでの学問の蓄積があるから安心して業務に励むことができる。ちゃんと2子を出産して元気に過ごしている。

暫定基準も厳しすぎる設定。
混沌とした世の中。不安の矛先をどこに向けるか・・・。行動体系に人格と教養が試されています。

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