日本文化再創造
2011年8月27日 22:32やはり秋田角館は注目だ。FBで知り合いになった料亭稲穂の店主と女将さんに会いに角館へ。店主のイメージを知るためには角館観光協会のブログを参照されると良いと思う。ブログ更新も2000回を超えた。
静かなたたずまいが時の経過を忘れさせてくれる。地域があって人がいて食材があってよいお料理が生まれる。その流れを感じさせてくれるお店が名店だ。
稲穂のお料理 角館懐石
味覚のレベルが高くないと(あるいは以前食べたことがある、という経験がないと)これは「すごい」ということにならないかも・・。都会にある名店が必ずしもそうでないことを幾たびか経験している。
最初の地ビールの次は日本酒
飲み比べセット
爽やかな 郷味新深
味わい深い古酒 田町上丁
箸付き
焼きナス寒天
良く冷えた寒天よせであるが、冷えていても焼きナスのうま味がきちんと感じられる。旬の今、頂きたい。
口代わり
角館桧木内産 岩魚一夜干し (紅葉木苺 いぶりがっこ甘露煮 岩石玉子 木の葉紫芋)
たぶんこれだけでご飯のおかずになると思う
吸い物
近海沖 甘鯛 冷やし椀仕立て(神代産佐藤さんのじゅん菜、地元産みょうが、吸い口、黒こしょう)
これは美味しい!冷たくしたさかなのゼラチンがじゅん菜のゼラチンとハーモニーを奏で具に優しくからまりあう。そこに日本酒が・・・。これはまた頂きたい。自分では作れない料理。
じゅんさいの記事(以前訪れた別の農家さん)
秋田沖:鯛 近海沖:まかじき鮪 ほたて
お造りだけでも贅沢な品質なのに・・・そこにしょっつるで・・・おゥ秋田伝統の調味料。しかも添加物一切使用していない(全国ここだけ)しょっつるを白身につけて食べると・・・正しい発酵食品とはどういうものか、成書を一から読みなさい!というくらいに襟を正したくなります。これもレベルの高い食べ方。
さまざまな味覚を楽しめます
酢の物
愛知県産 鱧 あらい 梅肉醤油
特別に店主が出してくれた、ダシをとったあとの鰹に味付しておかかにしたものをシソの葉と鱧に乗っけて巻いて食べる。おしとやかな鱧の味にオールがついて味覚の船を漕ぎ出した・・・。
焼き物
角館桧木内産天然鮎塩焼き
これは素材が優品。生育した自然環境がそのまま反映される天然鮎。内臓から頂き、頭と背骨以外は全て食べつくすべくメニュー。
手前はいぶりがっことマスカルポーネ
いぶりがっこの記事
はたはたから揚げ 辛子あんかけ
サクサクとした歯触りがこおばしい
そしていよいよ登場
近海沖 甘鯛 湯葉巻揚げ
岩手産トマト ニタキコマ
地物夏野菜 オクラ ズッキーニ 山椒味噌
トマトは岩手県花巻市の無農薬調理用トマト
ニタキコマの情報は以前の野菜王のブログ
蒸し物
秋田沖 生うに 冷やし茶わん蒸し 塩魚汁あんかけ 諸井醸造謹製塩魚汁
お菓子
自家製トマトの淡雪寒天
ニタキコマと牛肉のさっと煮みょうが添え
夏野菜カレー(ゴーヤ、ニタキコマ、なす)
ランチによろしい。夏野菜の個性がカレーで調和をとる。
しかし、まかないはいつも魅力的である。
これを個室で食べながら(ちなみにおひとり様です)かわるがわる店主と女将が相手をしてくださる。とにかく話が盛り上がって、話題の中心は「日本の本物の味」の追及である。
大量生産大量消費が経済の中心となった今、製造工程(醸造工程)をはしょって、最後につじつまの味調整で化学調味料や添加物を加える、これを本物とか本○○などと誰が言えようか・・。
そして日本人の身体も味覚も変わってしまった。
本物はこれだけ美味しい。40歳をこえると「本物」に気づく。私は幸いに幼少期の味覚形成に恵まれていたが、そうでなくてもこの美味しさに素直に心と体を傾けてみたらどうだろうか?
日本食文化は日本人の感性でのみ継承できる。日本食は世界中に広まるが、真の日本食を日本で、特に地方で提示していくことが、日本食の背景を形作ることになる。
日本人が日本の味を忘れてしまっては、まがいものの日本食が世界中を跋扈することとなる。
だから地方がふんばり時だし、その地方の食を日本中で支えて欲しい。日本食文化で世界でビジネスをする、日本人のチャンスなはず、そう信じている。
玄関わきの人形
版画:西音馬内地方の盆踊り
ゆっくり眺めても楽しい。
そして店主と女将さんのお人柄。よく癒しの・・・という表現があるけれど「人を癒せるのはヒト」これは私の持論なのです。
ラベル: 野菜王コミュニケーション