野菜・居酒屋与論島編・・・伝説の「献奉」

2011年9月14日 6:40

人はでんぷん質や糖質を放置しておくと泡が出てきて、その液体が人を心地よく酔わせるものに変わることを太古から知っていた。


喜びも悲しみも生きていれば必ず何度も押し寄せる。人の弱さも強さも全て知っているかのように、心の傍らにいつも酒はあった。

忘れてしまいたい事や、どうしようもない出来事に、つつまれたときに男は酒を飲むのでしょう。飲んで、飲んで、飲まれて、飲んで・・・

歌唱本人と歌が重なるからか、なんども思い出してしまう歌がある。

酒と男と泪と女

それはさておき

世界にはとうもろこし、ホップ、ぶどう、さつまいも、米・・・さまざまな原料からいろいろなアルコールが醸造されている。

酢もまた同じ。与論島きび酢
 

そして発酵食品の代表選手、味噌がある。この与論島では共同で味噌を製造しシェアしている。JAの加工場。ただし大豆は他県産のものだそうだ。




お酒は島内唯一の酒造メーカー有村酒造、黒糖焼酎「有泉」。透明感ある飲み口は、瞬く間に代謝されて身体の水分へと変換されていくかの様だ。

献奉、それは相手を敬い陶酔という世界をともに共有するお酒のふるまい。私も田舎そだち。同じお猪口を回して酒を酌み交わす姿を幼少期から観察しているわたしは、お酒は人にとってやはり大切なもの、と学習している。お酒で人生をダメにする人もいるが、お酒に支えられたり、もたれ掛っているひとも多い。


ここは南国与論島:めちゃくちゃに明るい酒宴なのだ。



まず「親」が歓迎のあいさつ、この会の趣旨などを説明する。自身で杯を飲み干す。お盆に残った酒も杯に入れて飲んだり、手にとって額につけたりするそうだ。そして次はゲストに。試される瞬間である。この飲み方で。ある意味「評価」される。

                          


おそるおそる・・・

あー飲みやすい
                                   

大丈夫、むせない・・
                                   

飲み干しました・・・

                                   


次々と・・・

そして次々と杯は空いていく・・・

飲む

呑む

のむ

まだまだ・・

                          次々と・・・

だれもひるまない。さすがだ。

私、飲めなぁい。そんな人は最初から参加しないのだろう。第一ムードが無くなる。

                                   
                                    

島の食材は豊富だ。漁師さんの表情がまたいい。

日中立ち寄った魚屋で見かけた「蒼いさかな」。食べたい!という希望を叶えてくれた。



                                       

刺身で。この魚に醤油は合わない。付け合せのニンニクの茎のピクルスと合う。子魚もなかなか。

                         


                           


野菜も新鮮なものがそのままメニューに。産直の野菜。野菜の香りが良い。冷蔵して数日経過した野菜は妙な香りがする。それが無い。

遠く離れた地で、ヨロン島産の食材と有泉で「献奉のまねごと」をしても面白くないだろう。この地で食材の背景、ヒトとか風土を肌で感じ、これが自分の生き方(自分流)と覚悟を決めて襟を正して飲む。


                                   
二軒目「かよいぶね」

ここで意識は途絶えてしまった。
が「そそう」することなく、無事にお部屋に帰っていったということだ。

のんで、のんで、のまれて、のんで・・・呑まれなくて良かった・・・。


同じ飲む行為も、北と南ではムードが異なる。北国の寒い時期に、寄り添いながらそっと酌み交わすお酒も、また味わい深い。

抱かれるものの優しさを感じて生きる・・・孤独は不幸だ。