12月のワイン会:秋田県湯沢市のセリと雫石黒千石
2011年12月18日 21:46今年最後のワイン会、お一人様参加でワインを飲みながら今年を省みた。
マスターソムリエ高野氏のシャンパン・サベラージュで忘年会気分に華やぎ。
ヴァイオインの松原さんは大きく成長し、12月の曲のアヴェ・マリアはすべての人の感情を愛にかえる。
岩シェフは不在だったが南青山店のシェフはとても成長していた。
今回のお題目食材は、秋田県湯沢市三関の芹、それから岩手県雫石町、創作農園の雫石黒千石。優れた農作物は優れた栽培技術を生産者による、それが一流、と説明を加えた。
秋田産セリと貝類のインサラータ
秋田の食材の素晴らしさを再認識し、山菜、いぶり大根・にんじんを今年のワイン会テーマにお願いした。今回のセリは野菜王ブログのスタートでも登場した私にとって意味深い野菜。美しい自然環境と美味しい野菜。私が追い求める理想の野菜である。
自己主張せずに他の野菜や赤貝、ホッキ貝、アオヤギと重なり合っている。スパークリングワインと始まりのメニューは爽やか。
雫石黒千石とカーボロネロのリゾット
岩手県雫石町、雫石創作農園の小さめ黒豆。小さいから味が濃縮。丹波黒豆より料理人の評価が高いのです。参加者の美味しい!が会場から多数あがる。
魚介と冬野菜のスープ煮
これは私が好みのメニュー。旨みがやわらかくスープ煮溶け込んで、野菜の素の味わいが自然にハーモニーを奏で・・ヴィバルディ四季の冬が流れてくるよう。
1999年の白ワイン。白は10年経つとボトルごとに味が変化するのだそう。私のボトルは甘さと爽やかさがあったけど、アルコールそのものは少し変化して別の成分になっちゃったかな?そんな感じでしたが、私の今の心身には心地よかったな。
信州ハーブ鶏のジャンボネット
鶏をハーブなどで包み焼きにしたメニュー。淡白な鶏料理ですが、雫石黒千石の付け合せソースがボリュームとコクを支えます。
チーズを3種(高原のナチュラルブルー・カマンベール・山のチーズ)
生チーズのタルト 雫石黒千石のソース
マズカルポーネのエスプーマ ティラミス風 コーヒー
モランド・アスティ・スプマンテ[原産国:イタリア、ピエモンエ州]
バロンド・ド・ブルバン・ブリュット・ロゼ[原産国:フランス、プロヴァンス地方]
シャトー・ラ・プチ・シャルドンヌ1999[原産国:フランス、ボルドー地方、フライ地区]
シャトー・デュ・テルトル2008[原産国:フランス、ボルドー地方、メドック地区、マルゴー村]
安曇野ワイナリー、紅木花2010[原産地:長野県、長和町]
美食は自分自身で完結するものでは無く、食材の美味しさの背景を理解するところから味わいはスタートする。ニューヨークのレストランで見る長たらしいメニュー説明は、食材の背景を説明したものでは無いと思える。
このワイン会に食材を紹介し、勉強させていただいて1年半くらいになるが、その壇上に上がるまでポカミスや迷惑をかけたこと数しれず。めげずに続けられたのもマスターソムリエ高野氏と岩シェフの懐の深さだ。
その真っ直ぐな思いがシェフの心をちょっとでも揺りうごかし、召し上がる人びとへの感動と「美味しい!」に何かしらのエッセンスが加わったら、野菜ソムリエとしての領域が開けてきたことになる。
一流の方々の後ろから必死についていく。これがどんな領域でも修行というものなのだと考える。
さて日本は大変な1年だった。自分も悲しんだり絶望したりしながら、冷静になってみると何も失っていないのだ、ということを実感し、そして感謝がこみあげてきた。変化したのは「心構えと覚悟」。悲しみをそっとつつみ、決してわすれることなく、それでも必死に前にすすむ事に専念しよう、そのために自分が社会で機能することにまい進しよう、そう考えた。
昨年の年賀状は「観光立国日本」をメッセージとして添えた。しかし3月11日、それは粉々に打ち砕かれた・・・かのように思えた。しかし8ヶ月経過して思いは再びよみがえってきた。日本人はその美しい生き方を高く評価されている。大きな財産だ。
食産業の方々に多くを教わった1年。観光立国日本は高齢化社会を輝かしい社会に変えるためのストラテジーと考えている。
ラベル: しあわせを運ぶワイン会