徹底的に日本文化再創造:日本の感性が放つ世界初のメニュー

2011年11月20日 12:42

今回のワイン会は自己主張強く「いぶり野菜(いぶりがっこに漬けこむ前の燻製野菜)」と、インカのひとみの羊羹。シェフからもマスターソムリエからも何の反応も無かった分、提案にご立腹しているのでは・・と不安だった。



燻した大根やニンジンがどのようなお料理になるのかは想像できなかった。本日のエスコートは農学博士、すごいぞ!


雨の南青山・・今日のマスター・ソムリエはビジネスで心ここにあらず。めずらしくワインを注ぐ手元が雑・・・。松原さんのヴァイオリンはさらに技術力が高まり・・。


             

ガンドブリといぶりがっこのサラダ仕立て

いぶり大根・ニンジンと大胆カットのブリが、ほんのりビネガーに良く合い、そして個性派フィトケミカルの葉野菜と噛みしめるたびに別の味わい。素晴らしい。燻し野菜、これだけの実力があるとは・・・岩シェフの「素材に尊厳を持つ姿勢」がよく表れている感嘆と敬服のひと品。日本文化再創造に相応しいメニューです。
                                     
いぶりがっこのカサレッチェ カルボナーラ風
カサレッチェはシチリア島のニョッキの事。燻し野菜が小さな短冊状になって混じっています。ニョッキの歯触りに時折「ばきっと歯ごたえリズムの変化」を感じるのは燻し野菜。チーズと炭水化物に合う!これは想定通り。

             


目鯛のパイ包み焼き
とてもやわらかで優しいメニュー。ソースがこれまた優しい。というのもワインは濾過していない上澄みをボトルに詰めたというワイン、そして香り高く辛口の白。途中、果実のフレーバー溢れた新酒赤ワインへ

                    

東御市で獲れた鹿肉のロースト根菜のトマト添え
鹿肉、やっとありつけました。付け合せのコナツナと根菜をトマトで煮込んだソースが単調になりがちな鹿肉に変化をもたらします。正統派ボジョレイ・ヌボー登場。それから馨しいフル・ボディ赤ワイン。最近、メジャーなジビエ。赤肉がヘルシーです。獣くさくなくてOK。ドングリとハンバーグにして「縄文食バーグ」は面白いのに・・。
               
和チーズ3種 粕・味噌・茶

               

インカのひとみの羊羹 モンブラン仕立て
なにがなんでも実現したかったこのメニュー。喜びもひとしお。最後に出されたブルーベリーアイスワイン。糖度が高く、私はくらくら。

トスティ・ロゼ[原産地:イタリア、ピエモンテ州]
あずみアップル・ソーヴィニオン・ブラン新酒2011[原産地:長野県、池田町]
マコン・ヴラージュ・ヌウボウ・ブラン2011[原産地:フランス、ブルゴーニュ地方・マコン地区]
ノヴェッロ2011[原産地:イタリア、ピエモンテ州]
ボジョレイ・ヌウボウ2011[原産地:フランス、ブルゴーニュ地方・ボジョレイ地区]
シャトー・ダルマイヤック2008[原産地:フランス、ボルドー地方・ポイヤック村]
安曇野ワイナリー、藍木花[原産地:長野県、山ノ内町]世界初のブルーベリーアイスワイン

日本人の感性は素晴らしい!

農学博士さんはお役所の技術職。セシウムの土壌から植物の移行の話し、日本は30年間もセシウムの植物移行を研究していて、それが今回、貴重な基礎データとして提示されたのだとか。しかし「しわけ」の対象とされ、その対応などでお忙しいのだそう。役にたつ、立たない・・・人類が地球上で平和に生きて暮らすのに必要な基礎実験は、なんたって行政がやっていくべきでしょう。人間はいつもエラーやミスをしでかす動物なのです。備えるべきこと、効率だけでばっさり切るのはいかがなものかと・・。

お話をお聞きしているうちに私の中ではチェルノブイリの森からヨーロッパへ、後半の赤ワインシャトー・ダルマイヤックの針葉樹の香りで、よりいっそう酩酊の世界が現実と乖離できなくなるのでした・・・。




最近とても忙しかった自分に一区切りできました。岩シェフ、今日も有難う。農学博士さん、教養と優しさあふれるエスコート、こちらもありがとうございます。日本の未来のために頑張ってね。

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