宝石やさいとワインの夕べ

2011年12月2日 20:19

野菜は身近で安価、ごちそうではない・・・そう考えている人も多く、特にここ岩手では野菜はありふれた食材。その壁をうちやぶり、野菜を全面にうちだしたディナー会を開催したい、と相談されたのが岩手県花巻市・ホテル花城。こちらの1階のレストラン・マグノリアは地元に根強いファンを持つという、隠れた名店です。花巻は空港も新幹線駅もある稀有な場所。これを食べたい、と観光客が目指してくるようなレストランが必要と、以前から感じていました。観光客の食への期待度は地域全体を底上げします。

宝石やさい、これは宝石という言葉でこの会を持ち上げようとか、そういう意図的ことではなく、畑の野菜たちは皆、宝石のようなきらめきをして自分たちを懸命に生きている、そのことへの敬意を表した言葉なのです。そういう説明を簡単にして会は始まりました。

以下、長いコメントをしません。それぞれの野菜の味を思いだし、お皿の世界を想像したほうが間違いないかと思います。それだけ個性的な野菜の数々・・。


えごまのムースとタスマニアサーモンのスモーク雑穀とパルミジャーノのブリックを添えて
あらかじめ食をアドバイス。良く噛んでください、野菜の味がわかる様に、そして口腔内で料理して・・・。佐々恵農園のルッコラ、シソエゴマ(黒・白)。



オーブン焼きした殿様葱のマリネとイベリコの生ハム、タプナードソース
葱は横に切らず繊維にそって縦裂きにし、ほかの付け合せと混ぜる様にして頂いて下さい。糸状のものは細切り葱の素揚げ。タプナード・ソースはオリーブを潰したものがベース。


                                 

ミント風味トマトエッセンスのジュレとガスパチョ(調理用トマトにたきこま)
トマトは甘いという概念を捨ててください、と改めて強調。期待に応えて、いや、それ以上のメニューの出来栄え。会場から「ほぉ」声が聞こえる。

                                      

                          


赤茎ほうれん草のエテュヴェと菊イモのビュレ金目鯛のポワレ添えソースクリュスタセ
ほうれん草の美味しさを再認識。菊イモのマッシュがとても新鮮。向かいの方は「ほうれん草感、もっと欲しい」良くわかるコメントですが、ほうれん草が嫌いな人も多いので控えめ・控えめ・・・。



              

インカのめざめのローストと大浦ごぼうの蒸し焼きホロホロ鳥のラケ添え
いつもは上品で優雅なホロホロ鳥に個性的な根菜類でワイルド感をプラス。赤ワインがググッ。

              
              

カーボロネロのミルクレープと山葡萄のシャーベット

県産小麦ゆきちからのパン有機栽培コーヒー

野菜料理は佐々恵農園、夏のにたきこま(調理用トマト)はオリーブコーポレーションのペーストのものが入手可能。


              

シニアワインアドバイザー・和田さん。

美味しい野菜は自分で探さないと手に入りません。野菜との出会いはいつも一瞬。野菜も私たちも生きて呼吸して絶えず変化しているから・・。私の説明は、この言葉で始まる事が多い。

おいしい野菜料理も自分で探さないと手に入らないし、これですよ・・・と差し出されてもきちんと噛んで、口腔内で味わって感じて、美味しいという信号が身体の隅々まで到達してはじめて「美味しい」が認知されます。野菜に対するイメージや記憶も美味しさに左右されています。

北東北は、かつてから食材が良いのだからB級グルメなどと言っていないで一流を目指す場所があってもいいのに・・・・と感じていたし、これまでも活動テーマでした。


平泉世界遺産登録を受けて、世界の舞台に躍り出るレストランは岩手には数限られているが、若く努力家で、そして謙遜を忘れないシェフの渡部氏の創る新しいフレンチ、世界へ発信させたい。

レストラン・マグノリアの情報は↓
http://www.hotel-kajyo.jp/index.php?id=42

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