なぜ野菜を食べなくてはならないのですか?

2010年2月18日 15:41

なぜ野菜を食べなくてはならないのですか?幼稚園の子供を持つお母さんからの質問だ。

質問される機会は意外と多いし、案外そう思っていても「そんなことも知らないの?」と言われそうで質問できなかった、と言われたこともある。

 

これまでの人類の歴史はほとんどが飢餓の歴史だった。こんなに食べ物が豊富な時代に生きているわれわれは奇跡的なのかもしれない。

 

食べられるときに沢山食べ、体脂肪として蓄え、食糧のないあるいは作物が収穫できない期間は体脂肪をエネルギーに変えて生き延びてきた。だから収穫際は生きる喜びの日なのだ。このような時代は「なぜ野菜を食べなくてはならないのか?」という質問は無かっただろう。

 

ベジタブル・フォーキャスターの健康別人生三段階。
世の中が平穏という条件つきだが・・・。

1.  生殖年齢を生きる

2.  平均寿命を生きる

3.  平均寿命あるいはそれ以上の期間を元気で若々しく過ごす(アンチエイジング的生き方)
図3



長生きするほど老年期が長くなる。ホルモン年齢は変えられない。ケセラセラでふわふわと好きなように行きたい、という1)のヒトは、ともかく自分に責任を持って太く短く生きて欲しい。健康のために野菜を勧めるなんてしない。

2)のヒトは小学校で言われたことを思い出して生活を。3)をご希望される方は、アンチエイジングを勉強して実践してください。うまくいくと人生2度楽しめるはず。

 

野菜には下記の栄養素、非栄養素がたくさん含まれている。

1・各種ビタミン

2.ミネラル

3.抗酸化食品因子

4.食物繊維(水溶性、非水溶性)

 

なぜこれらが必要なのか・・

 

・私たちの身体は食べたもので出来ている。消化、吸収し、体内で再合成される。そうい   
った一連の働きをスムーズにするために、野菜は必要。


・紫外線、乾燥、電磁波、ウイルス・・・身体に良くないものは沢山ある。自分で自分の 身をまもるために野菜が必要。


・ケガをしたら止血、身体の中で病気のモトが出来たら自分の力で治癒しければならない。そのシステムに野菜が必要。


・いつまでも若々しくすごすために野菜が必要。

 

2)のヒトは小学校で学んだバランスの良い食事を実践。

3)のヒトはさらにGI値、脂質バランス、抗酸化食品因子を豊富にとることを心がけ、カロリーは80%に。ブログが続く限り後々説明していきたいと思う。

 

さて

ビタミン、ミネラルは食事摂取基準が決められているものが多い。最近では健康維持のためにはもう少し多くの摂取が必要と唱える研究者もいる。摂取が少なければ欠乏症、沢山取りすぎると過剰症という健康被害が生じる。野菜、果物を食べなければならない理由のひとつはこの栄養素の摂取のためだ。普通の食事であれば過剰の心配は無い。

 

しかしこんなに食があふれているのに、好きなものだけ食べていれば欠乏症となる。カロリーだけは過剰でも上記のものは欠乏気味・・・これが生活習慣病の食の問題なのだ。


図2

最近、高校生に食事の調査をした。これが標準的な食であるのは驚きだ。

 

食の選択が限られていても、そのバランスがよければ食の問題は今より少ない。私が小学校のときはそうだった。だから牛乳も大事だったし、肝油ドロップみたいなものも両親が用意していたし(私の場合そんなものは必要のないくらい新鮮で豊富な食材があったが・・)、叔母がパチンコのお土産にもってくるチョコレートが楽しみ、程度だった。

 

実はこういった栄養還元的な説明では食と人間の健康状態を評価できない。10人いれば10人の身体の働き方。同じ畑でそだつ桜島大根の姿を思い出して欲しい。生きると言う仕組みが命の情報にプログラムされていて、どんな環境におかれているかで更にさまざまに変化していく。

 

 

日常の食事とヒトの健康状を調べる方法は疫学調査で行う。沢山のヒトの生活状況を最初に調査し、その後追跡していく。長い歳月の観察中、どんな病気のヒトがどれくらい発症し、その人たちのライフスタイルはどのような傾向があったのか。病気とライフスタイルとの因果関係を統計的に推察するのだ。おおまかな傾向はわかる。自分だけはタバコをすっていいてもガンにはならない・・・そういった淡い期待(自分だけは大丈夫)をもつヒトは多いが、その「傾向」「確率」はたしかに存在する。

 

よく「いつまでも若々しくいたいから、私は○○を毎日続けています」といったふれこみの食品はある。ああそうですか・・。

 

機能性成分をうたい文句にした特定機能食品は多い。厚生労働省のお墨付き。ああそうですか・・。

 

ちまたにあふれるサプリメント。ああそうですか・・・。

 

長期的な検証は行われていないから返答のしようが無い。最初は「よし」とされてもその後「やはり効果なし」とされるものが実に多いことか・・。「よし」とされる理由が経験であったり動物実験だったり、検証のしかたが良くないヒトでの調査だったり・・・。


図1

野菜をどれくらい食べているかで病気にかかるリスク、あるいは死亡するリスクはどう変わるのかを検証した疫学調査は多く、それらをまとめて(多重)解析した報告は多々ある。野菜をほとんど食べていないヒトのグループは確かにきちんと食べているヒトのグループより病気にかかるリスクは高いという報告多々。

 

野菜の抗酸化食品因子や機能性成分はまだまだ良く解っていないらしい。一説によると数パーセントくらいしか判明していないのではないかとも言われている。かなり複合的といわれている。サプリメントではその効果が期待できないばかりか、逆の結果になることもある。

 

まだまだ未解明なのだ。だから野菜・果物を食べる。

 

ただしいろいろな野菜・果物があるから、できるだけベストなものを多品目食べる。

 

食と健康は永遠のテーマなのだ。でも野菜王は知っている。

 

次回からはそれぞれの野菜の成分と健康・美容について解説したいと思う。
ついてきてね!

 

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