伝統的地中海食というダイエット法

2010年2月12日 21:31

ダイエットは痩身手段ではない。人それぞれの生活スタイルや身体状態に相応しい疾病予防のための健康食である。さまざまなダイエット法(多くは痩身方法)が世に登場しては消滅してきた。つまりほとんどのダイエット法が長期的な効果が証明されなかったのだ。美の基準なるものもかつてのフランス絵画に描かれる豊満な女性から、最近のハリウッド映画女優のような極端なスレンダー体型まで、時代背景で変遷してきた。伝統的地中海食は医学的に支持が高い。USAでは多くの疫学調査で現在も検証中である。

 

その国により提示される健康食は食事ピラミットや、日本で言えば食事バランスガイドでわかりやすく表現されている。ペルーを訪れたとき村の小学校の近くに掲げられたフード・ピラミッドの看板。白い食材すなわち精製された炭水化物が無いことに注目。

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古代ギリシャの女性たちが求めたものは身体そのものの美しさだったという。飾り立てる美しさではなく、体のお手入れや紫外線対策そして食を大切にした。女神の彫刻は当時の美の基準を表現しているようだ。薄い布を肢体に自然に巻きつけた姿は女性からみても「ほぉ~」と感じる。

地中海式ダイエットのピラミッド図を見ると3番目にオリーブ・オリーブオイルが位置している。そして牛乳・乳製品、魚と来て、さらに牛肉は月に1~2回。それじゃあ悲しい!


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そんな声が聞こえてきそうだ。

 

ポイントは野菜・果物・大豆の機能性成分、脂質の中身、そしてGI値。

 

地域の食材が溢れている。野菜・果物・豆などは色とりどりの美味しい農作物。「経験したことのない美味しい野菜」にイタリア、地中海沿岸で初めてめぐり会った人は多いかもしれない。そこの土壌、気象条件にあった野菜栽培。美味しい野菜の生育条件の基本である。この野菜にこそ健康で美しく生きていくためのビタミン、ミネラル、食物繊維、機能性成分が豊富に含まれているのだ。ただし同じ種類の野菜でも生育状況あるいは保存状況によって含有量に大きな差がある。地中海気候で育った野菜、と言うことが大切なのだろう。


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タンパク質は吸収したアミノ酸を体内で再合成して作られる。アミノ酸はパン・パスタ・米そして野菜にも含まれている。特に豆には豊富。なにも肉を毎日食べる必要は無い。日本は大豆文化が中心だが、外国特に地中海沿岸には種類も豊富だ。市場でレンズだとかひよこだとか形にちなんだ名前の豆が量り売りされている。豆料理もなかなかいけるらしい。


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この地域では食生活にオリーブオイルは必須。パンにバージン・オリーブオイルを挟んで(ぬるという加減ではない)、漁の後に食べているフィッシャーマンは絵になる。

 

オイル(油脂)はカロリーが高いじゃないか!

確かに9Kcal/g 。しかし同じ脂肪でも体内に吸収されてからホルモン、ビタミンの様な働きをしたり、あるいは血栓形成や炎症のメカニズムに関わるものもある。たんなるエネルギー源ではないのだ。

オリーブオイルには一価不飽和脂肪酸が豊富。魚の油のω-3(DHA,EPA) も、とても大事だ。脂質のバランスを良くする、これが美容・健康食のポイント。決して油抜きは良くない。

 

ただ日本人にこの伝統的地中海食が相応しいかどうかの検証はされていない。日本食だから長寿国・・のはずが日本の標準食も曖昧、そして綺麗になる食事をきちんととれている日本人女性が少ない・・。

 

さて日本食とは?日本食は健康、美容に良いのか?この答えを説明するためには一年いやそれ以上の月日がかかってしまいそうだ。

その前に次回、日本人の食の問題と生活習慣病に対し、すでに「有機ベビーリーフ」という処方箋を発行していた薬理学博士を紹介したいと思う。その方は野菜王の使者かもしれない。

 

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