絹かわなす・たかきび:ハイレベルなワインの世界とともに
2010年9月14日 18:15
二つとも日本の食文化の歴史に綴られる貴重な作物。長野県の八重原米とご一緒し、ワインの五線譜でハイレベルなquartet.
岩手県二戸市高村英世氏のたかきび。ホールでも粉でも様々な料理に利用できます。今回は食材としてのご提案。
東京南青山アトリエ・ド・フロマージュの岩シェフ、農産物の魅力をさりげなくチーズで引き立てる天才的料理技法。そこにマスターソムリエ高野氏、原始~高次脳機能まで連続する鋭い感性で選んだワインの数々。しかも肩にチカラが入っていないので心地良いこと、この上ない。
愛媛県西条市の絹かわなす。当初は西条市のジュニア野菜ソムリエ池田さんが紹介することになっていた。
しかし負傷。
ベジタブル・フォーキャスターが岩手の高村氏の「たかきび」と愛媛県西条市の「絹かわなす」を紹介させていただいた。
そのあとは席について、今日は写真家と同伴でお料理の写真はおまかせの幸せモード。
絹かわなすの5種前菜
これだけで今日の食材のお題目を果たしてしまっているかの料理の技法と味の広がり。前菜などと言うものでは無い。野菜の中で一番ナスが好きな私だが、生、蒸す、焼く、ペースト・・世界中の何処でも、なすをこのような一皿で表現されたことは無いであろう。チーズは調味料。砂肝やラスク、ルッコラとの周波数が計算済みで、ほんのちょっとだけの外れるのだが、実はワインがお座布団を敷いて待っている。この一瞬に感謝し、7月31日に飛行機で愛媛に向かった時抱いていた絹かわなすへの思いが駆け巡る。絹かわなすのブログ参照。
http://yasaioh.digital-dime.net/archives/1428750.html
グレイス甲州
名前の通りの透明感。
八重原米とたかきびのチーズリゾット
ホールのたかきびのプチプチ感とお米のリゾットのプチプチが異なった食感をかもします。しかもかみしめるとそれぞれの味の違いが口腔内に広がります。リゾットなのにじっくりじっくり噛んでしまう。
安曇野竜眼シュルリーの「ぶどうの違い」。解ったような解らないような。レベルが高く、ついていけない・・・という思いはあるが、少しも気後れしない。背景のぶどう生産者が感じられるから・・・。
信州サーモンのヴァポーレたかきび入り野菜のビグネット
たかきびが宝石の様に思える。
シャブリ・グルミクリュ・ヴァルミュウル2007
駒ケ原平沢畑2009
信州ハーブ鶏ノトマト煮・たかきびポレンタ添え
ペーストの「たかきび」が素朴と思いきや、チキンの僅かばかりの幼なさを妖艶な女性に変えてしまった・・という感じ。
羆の晩酌2006
カルベネ・ギャニスチ2005
山葡萄の渋みのある酸味が妖艶さに少し爽やかさを与えてくれました。
チーズを三種:カマンベール・ブルー・山のチーズ
シャトー・マトラー2003:このワインは凄い・・・というと生意気に思われる。お高いワインの自己主張に溢れているので「はいそうですか」と頷くだけに。チーズとの正統派取り合わせ。
八重原米とマスカルポーネのズコットナガノパープル添え
キリアン・アイスワイン・セミヨン2005
多糖類から単糖類までリッチな炭水化物の甘さに対抗するだけの糖度が高いアイス・ワイン。今回も茎の味がしました。
食は幸せになるための手段。これは4年前からの持論。
こうして素晴らしい日本の食材を「きちんとお料理」し、「醸造というプロセスを踏んだお酒」とともに頂く。その食を皆さんで共有するひと時。時代は変わっても実は普遍的な事。意外と忘れ去られている。人びとは交わらなくなり、煩わしさを避ける。
紹介した岩手県二戸市高村氏の雑穀。「神の雑穀」のネーミングについては、いつかブログに綴りたいと思っています。