シニア野菜ソムリエ高木さん

2011年3月2日 15:03

野菜ソムリエといえばこの人、という全国区で知名度の高い人はいない。しかし近畿あるいは関西でのNo.1はこの方だろう。
そもそも野菜ソムリエは何をする人か理解されていない。食べて産地を当てるとか、ワインソムリエ的な仕事は野菜に限ればあまり意味がない。野菜は同じ畑でとれても同じものは一つもないからだ。ただしその品種の中でベストの味かどうかは程度判断できるし、いまある野菜を最大限利用する方法を提示できる。
美味しい野菜の見分け方の本があるが、そもそも「美味しい野菜」の定義が求める人によって異なるので、私は意味がないと思っている。

おいしい野菜を調達できる人、は野菜ソムリエとして良い仕事が出来る人でもあるが、そこにビジネスがからむと青果物の流通につきもののリスクが生じる。
それは「ちょっと野菜の資格を取った」からといって超えられるハードルではない。

野菜の周辺にはさまざまな問題がある。農業の問題、流通の問題、食糧の問題、日常食とする人間の健康問題・・・解決しなければならない国としての問題が満載している。そこで「人の為になる仕事」をしてもお金の流れが出来なければただの善き人だ。

人々に野菜を食べてもらうしくみは、ワインを飲んでもらう仕組み造りよりいろいろな問題解決に繋がる。しかし野菜1パック売ったからといって利益率の低い野菜、ワイン1杯の方がはるかに割が良い。

感情抜きにして今の日本には野菜が必要だ。

そういった背景もあり野菜ソムリエは仕事になっている人は少ないし、資格取得を希望される方は主婦、会社員・・・とりあえず資格取得チーム、そして雇用促進がらみの補助金を利用した「地域振興かんちがい」など、「私たちそしてどうするの」チームの割合が多くなっている。

そのような背景で、シニア同期のあいちJAあぐりタウンげんきの郷

シニア野菜ソムリエの高木さんは野菜ソムリエとしての条件を200%満たしている希有な人だ。

シニア中のシニアといってよい。あいちげんきの郷を産直の機能のみならず愛知県の青果物の価値造りを根本から変えた人でもある。

なにせ目標到達点のレベル設定が高い。それをマニュフェストとして掲げ次々と現実にしている。そこらへんの農政関係者よりは実力が違う。なにか一つでも失敗すれば即責任をとらされる立場、ちょいと補助金消化の仕事などというレベルではないのだ。


立場が違う・・・そういう人がいるなら「やってみれば?」と言いたい。
10周年記念事業で完成したレシピ集は彼のマニュフェストの一つ。

その高木さんから講師依頼を受けた。


日本総生活習慣病時代「お野菜処方いたします」

わたしの思いは「生産者が幸せに暮らす」とう事。げんきの郷社長鈴村忠由さんから頂いた「蒸した新じゃが」。それは男爵の全ての美味しさが凝縮されていた。シンプルな農作物に表現されるリーダーのレベル。JAと名のつくすべての中でひときわ光り輝いている。