ハーブ?日本では良くわからないなぁイチョウ葉エキス

2011年5月10日 20:31

野菜もハーブも植物(プランツ)です。野菜は美味しいけれど、ハーブは食事としては食べられません。硬かったり苦かったり・・しかもある種の成分を持ち生体に何らかの作用を及ぼすらしい。その成分と作用が解明されないままに「健康食品素材」として出回っています。

イチョウ葉エキスは「ボケ防止」として広く知られています。それはドイツで規格品が処方薬で汎用されているからです。ドイツでのハーブの位置づけは日本の漢方薬とちょっと似ているかもしれません。ドイツのメディカルハーブの科学的根拠として参照される書籍にコミッションEモノグラフがあるとのこと、ただしかなり古い文献を解析してそれを引用していますので、その内容が現代の医学に適合しているかはかなり疑問です。

時はすすみさまざまな医学論文がイチョウ葉エキスについて検証しています。ランダム化比較試験という信頼できる研究デザインで検証された結果、認知症やアルツハイマー症の発症リスク低下を認めたものはほとんどなく、効果が無いことが示唆される(またしても曖昧な表現ですが、まず効果はないでしょう、といった意味合い)となっています。

ただしこれには問題点があってイチョウ葉エキスの成分が一定でない、という問題点があります。ドイツでは「フラボノイド配合体22-27%(ケルセチン、ケンフェロール、イソラムネチン)、テルペンラクトン5-7%、ギンコール酸が 5ppm 以下」という規格を満たした製品をイチョウ葉エキスとしています。

日本では規格がありません。そもそも医薬品は薬事法があてはまりますが、その他の法規は食品あつかいです。メディカルハーブという表現が日本にはないのです。

一方、血液凝固(いわゆる血液のサラサラ度)への影響は有害事象としての報告(脳内出血)もあり要注意です。また医薬品との相互作用もあり、有効性の対極にはいつも有害事象(かつては副作用と呼ばれた)があることをお忘れなく。

まぁ最近ではむしろ身体に影響ない成分含量で「イメージ戦略大成功、有害事象無し」の商品も目立ちますが、選ぶのはお金を出す方のご判断ですから・・。

念をおしますが、若年者へ「アタマがよくなる」という事実はありません。

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