大型施設栽培(野菜工場)・・・・野菜王の対局に位置するもの
2012年10月5日 17:22
環境が良い場所で信頼できる農家さんの生産する旬の野菜を頂く・・・それが野菜王の世界です。
ひとつひとつ丁寧に植えられたレタス。
かといって野菜工場を否定している訳でなく、安全な野菜を環境に左右されずいつも食べることは健康に生きていくことでもとても重要なことです・
施設栽培にも規模は色々あり、最近はキノコの施設栽培が増えました。どこへいっても売り場に一定割合占めているキノコ類です。
その中でもオリジナル溢れる素晴らしいキノコを生産している農家さんもいます。
青森県田子町の初雪たけの生産者さん。
こちらはチコリ。軟白栽培でこういったチコリ芋から生産されます。大型施設栽培では有名なオランダからの技術です。チコリ芋の輸入もあるそうです。
先日の新聞に「低カリウムレタス」の施設栽培の記事がのっていました。慢性腎不全でカリウムの排泄能力が落ちると、血液中のカリウムが上昇し命にかかわる状態になるので、こういった患者さんたちはカリウムを沢山含む食品を摂らない様に栄養指導されます。
大抵の患者さんは「何も食べるものが無い!」と怒るし、それで、どうしても生野菜は避けてしまうのですが、健康上のデメリットも大きいようです。
低カリウムレタスはこういった患者さんに届けるべく、医療機関を顧客にしようとしているらしいのですが・・・。
もともと入院の食事代はかなり抑えられており(1食640円程度、うち260円は自己負担)、患者さんごとにエネルギーやら、塩分、脂質などなど指示項目が多いので、工夫したメニューはそうそう準備できないのが一般的です。
しかも時間で一斉配善ですから、生野菜メニューはかなり限局されます。体力低下の方々がほとんどですから、食中毒の問題もありますし。低カリウムレタスに付加価値がつけばいいのですが・・・。混合診療が解禁にならないと、なかなか普及しないでしょう。
さて大型施設栽培ですが、震災後、塩害などで使用できなくなった農地に補助金導入して栽培が開始されたようです。
天候の異変で生産がだぶつき、産地調整のためにつぶされたキャベツも多々。通年、供給が確保されている指定野菜14品。3月上旬の撮影でしたが一店ですべてそろいました。流通機構はすばらしい。でも栄養価はクエスチョンです。
今後は定時定常で出荷できる大型施設栽培の重要性も増してくるのでしょう。農家さんも高齢化していますから集約的な栽培も必須です。
医療部門で言えば、ワーファリン内服の患者さんは多く、「一定量の野菜」を食べる様に指導されます。この一定量はビタミンKの含量が大事です。
低カリウムレタス、より、一定量のビタミンKを含み年間変動の少ない野菜を施設栽培したほうがいいのに、とも考えます。
今度、講演会で講師の一人を務めさせていただきます。
「食べて健康・新鮮野菜」
お時間があいましたらぜひ・・・。