血糖値が気になる皆様へ・・・すい臓のβ細胞機能を守る、というアドバイス
2010年4月16日 16:35
今、糖尿病診療の勉強中です。とかくカロリーとか糖質にだけ目が行きがちな糖尿病。
ここは「血糖を下げるインスリンを分泌する、すい臓のβ細胞機能」に着目してみると、自分に必要な「血糖値を上げないための生活」が見えてきますよ。
写真はヤーコン
高齢になると血糖値が上昇してくる人がいる
特に沢山食べている訳でもないし、現在肥満でもないが糖尿病の人がいる。
糖尿病の薬を服薬して食生活その他も指導通りだが、血糖コントロールが悪化する人がいる。
・・・・・・みなさんも考えて見て下さい。
つまり不摂生していないから大丈夫、といって油断していると知らないうちに糖尿病が進んでいることがあるのです。
血糖は組織のエネルギー源。しかしインスリンが無かったり、インスリンの働きが良くないとうまく利用されないし、利用されない血糖はそのまま高血糖を引きおこします。インスリンを分泌するのがすい臓のβ細胞。β細胞が壊れるとインスリンが出せなくなります。
日本人はもともとインスリンの分泌の能力が低いのです。
高齢化社会みなさん長生き。しかしβ細胞は年齢が進むと機能が低下します。インスリンをもともと出す能力が低いし、機能低下の症状(血糖値の上昇)もでやすいということです。
β細胞の機能低下に関連しているものは
遺伝
肥満(インスリン抵抗性:インスリンが分泌していても効き目が低く血糖が高い状態になる)
糖毒性、脂肪毒性(血糖、コレステロールなどの脂質が高い状態はβ細胞を壊します)
小胞体ストレス・・・などがあります。
β細胞を守るために
肥満の改善が最も有効的。基礎代謝を下げないためにも運動をしましょう。
血糖は基準値内に。急激な血糖上昇はすい臓を疲れさせます。甘いペットボトルジュースをがぶ飲みしていると糖尿病になります。
それから脂肪の取りすぎに注意する。カロリーは同じでも脂肪比率が多いと肝臓への脂肪流入が増加しインスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる)を起こしてしまうからです。
運動は血糖利用を促進します。こまめに歩いてこまめに消費。
糖尿病の薬ですい臓からのインスリン分泌を促進する薬がありますが、こちらはβ細胞を疲れさせてしまうことがあります。
肉親に糖尿病の方がいらっしゃる方は、遺伝的にすい臓のβ細胞が弱いことがあります。
でもβ細胞を守るような生活をしていれば、大丈夫なことも多いのです。
β細胞を守る生活は、すなわちアンチエイジング・ライフです。ちっちゃな、ちっちゃなβ細胞を守れなくて自分の人生を守れるはずはないですよね。
雑穀ごはんと野菜のお鍋。一つ一つの食材よりは全体的なバランス。玄米ならなおよろしい。
これ二つのメニューでもハンバーグ1個分のカロリーだし、膵臓のβ細胞を守るメニューでもあります。
炭水化物抜きの食事は長期的に長続きしません。
もともと日本人はどんなものを食べてきたのか?そこを突きつめればβ細胞機能をいたわる食事も見えてきますよね。