大鰐温泉もやし・・「もやし」と呼ぶにはあまりにも洗練された食材

2012年3月11日 20:20


大鰐温泉もやしの収穫シーンが見たい、その時間は朝6時から7時、これまでの経験からしても生産現場はわかりにくい、早朝に現場に向かっても、もしも、もしも圃場が見つけられなかったら場所を尋ねるヒトもいない、コンビの店員さんの情報もあてにならない・・・。ということで前日入りした。



圃場は温泉街の山の中腹にある。前の日に場所を確認。



生産者の山崎光司さんご夫婦。



温泉水のパイプが地下にありほんのり暖かい。シートを外すと美しいうす黄色いもやしが・・。しかし、もやしという範疇では無く、土から栄養を吸収し育つ大豆・そばのスプラウト野菜。芸術的で美しい。茎の部分の透明感がとても良い。



最近のご時世、もやしは40-50円のチープな直材のイメージがあるが、遺伝子組み換え種を使用しているのを人々は知らない。しかしこちらは全て自家採取。夏の時期は種の採取で忙しいそうだ。



どんどん掘り起こすように収穫していく。



ソバのもやし、「階上早生(はしかみわせ)」という品種をタネにして作る。

種のモミの部分が残る。これを取り除くのを人々は面倒というそうだ。美味しいものをつくるには下ごしらえが必要なのは当然。



しかし美しい。これは「もやし」ではない。土からの栄養素をきっちり吸収している。水でぶよぶよの袋いりもやしとは違う。なにより工場では無い、畑で人がつくった食べ物。それだけで有り難い。



大豆のもやし。子葉の部分が実はかなり味わい深い。大鰐町の在来種である豆「小八豆」を使用し、350年以上も前から栽培、江戸時代には、冬の味覚として津軽藩主に献上されたという事だ。




根の土は温泉水で洗い流す。奥さまの仕事。湯気の感じが野沢菜を洗っているシーンを思い出す。



帰宅して料理。いつもの野菜と豚肉の蒸し焼きだが、家族が絶賛。このもやし、すんごく美味しい。本当にもやしなの?蒸し鍋の底に残った蒸し汁をおじやにして間食。



サイドメニューは豆のもやしと豆苗とシメジの酢の物。それに道の駅で購入した豆腐の味噌漬けを加えました。これも洗練された味になります。



高級食材としての大鰐温泉もやし、一度は食べる価値あり、です。



歴史ある作物には続く理由が必ずあります。それは大切な物語、こちらがあれば売れる仕組みもできてきますね。

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