今月のワイン会 : 初雪たけ・ヒマラヤひらたけ
2012年5月14日 6:38
五月は新年度がスタートして元気が持続する人と、ちょっと元気が無くなる(五月病とも言いますが)人が出て来る時期です。青森県田子町の初雪たけとヒマラヤひらたけの生産場所は環境設定でいつでも秋の環境。落ち込みが続いたら、抗うつ薬よりキノコ栽培の環境に出向いたほうが良いかもしれません。
初雪茸
ヒマラヤひらたけ
生産場所は秋の気配のする場所なのです。
さて、ワイン会に参加される方は元気だから参加されるのでしょう。マスターソムリエは少々お疲れ気味。キノコを見に行ってほしい・・・。
このふたつのキノコ、今回のワイン会のお題目食材に提案させていただいた。
信州上田地鶏真田丸と初雪たけのテリーヌ
なんて上品。真っ白な初雪茸がテリーヌのお洋服を着せられてかしこまっていますが、鶏肉の真田丸さんにちょっかい出されてくすぐったそうです。
サンクゼール、ブラムリー・シードル2011「原産地:長野県、飯綱町
青リンゴのシードルは長野県産。青森だって素敵なシードルはありますよ、と青森出身の初雪茸は主張している。そうなんですよ、やっと青森も成熟してきました。
八丁味噌のピッツァとファーサイとキクラゲのスープ
味噌とチーズは会うので納得。ここにも「きくらげ」という茸。キノコ由来の旨みがガンガンきます。
飛鳥ワイン、飛鳥橘「原産地:大阪府、羽野市」
デラウエアの白ワイン。えっ?デラウエア??はい、印象ないワインです。そのほうがガンガンくる旨みの邪魔をしなくていい。人にもワインにも持ち場があります。ところで最近の青果物コーナー、デラウエアはめっきり少なくなりました。ほかに美味しい葡萄が沢山登場していますしね。売れなくなった農産物、お酒にしてしまいましょう、という、いつもの6次産業的発想・・。
リュリー・クロ・ラ・フォーリー・ブラン2009
黄花菜とヒマラヤひらたけ、真鯛,浅蜊の蒸し煮
ユリの花を乾燥させたものが黄花菜。ヒマラヤひらたけの神々しさが解らなくなっちゃいましたが、浅蜊との味のハーモニーは良いので、真鯛の淡白な味わいに丁度良い感じです。しかも先ほどのメニューで旨みがすでに口腔内に充満していますから、これくらいのインパクトがあったほうが良いのでしょうね。
ワインも香りも一段高くなりますが、雑味が無いので調和がしつこくありません。
シャトー・デュ・グラン・ムエイ・ル・クレレ2008
ロゼだけど赤に近い・・・・なんたらかんたら・・・
ウンチクはどうでも良くなってしまう・・
八丁味噌でマリネしたローストビーフ モリュー茸のソース
これは素晴らしい!想像の通りローストビーフにはうっすらと味が加えてあって、しかも少々柔らかくなっている。そしてモリュー茸という日本にはないキノコの乾物が、多分、人生はじまって以来の味蕾攻撃を受けている。しかもフリッター添えときたものですから健康など考えていられなくなる。
いつも思う。このメインの手前で止めておけばアンチエイジングなのに・・・。人の欲望に素直に答えると、結構、商売になるのが資本主義。わが領域のようにタテマエとか大義名分は関係ない。
シャトー・ブラネール2009
ガツンと赤のフル・ボディ
チーズを三種 高原のナチュラルブルー。山のチーズ・カマンベール
日本人の作ったチーズは繊細で美味しい。これ以外の表現はありません。
山辺ワイナリー長野県原産地呼称認定・ナイアガラ2006・ラルティチュド・ド700
味噌ブリュレと味噌ジェラート
特に味噌味というほどではないですが、アミノ酸の旨みがほのかに新しさを感じさせます。醤油ジェラートで慣れています
しかし岩シェフの実力は、優しさが基盤にある。自己主張せず、それが、これはどうしてなの?と、こちらから聞きに行きたくなるほど、ひきこまれる世界があるのです。威圧感をあらわさない・・・謙虚さ?ちょっと違うな、母のような愛?違った・・・そういえば今日は母の日だった。