その1杯の珈琲のために・・・

2012年8月28日 5:09


おそらく「今日の珈琲の味とかおり、いつになく身体にしみる」と感じた事は幾度となくあったと思う。しかしその珈琲がどれだけの価値のものか、あまり真剣に考えていなかった。

どんなシーンにも珈琲は登場した。ときめいた時、逆に悲しい宣告の時・・・喜怒哀楽の感情のゆらぎに、カップの珈琲もどれ一つとして同じ味はなかったに違いない。
 
大学時代の過酷な試験勉強にはカフェインの覚醒作用に運命をゆだねたりしたことも懐かしい思い出・・。

 

ご縁あって焙煎の体験をさせていただくことに。

 

岩手県八幡平市、安比高原スキー場ペンション村のネルカフェ。

 

澄んだ空気、そして庭にはハーブやお花が咲き乱れる。ペンション Wing Light にある。

 

焙煎体験の前に、まず1杯の珈琲。「かおり」をふかく吸い込むと、篩骨洞や蝶形骨洞といった副鼻腔から脳底部へと到達していくような感じだ。素人表現だが「トゲトゲの雑味や酸っぱさが無い、むしろ甘さ」。
 
ふわっと軽くなる気持ち。人と人を繋ぐ珈琲は魔法を持っている。

 

さて重要なのは出来の悪い豆「欠点豆」を除くことだ。ともかく手作業となる。

 
 
 

ネルカフェの齋藤さん。珈琲の質問を受け答えしながら欠点豆を取り除く。この豆のひと粒に世界中の珈琲農園への思いが馳せる。いろいろな人の「手」を経て、ここへたどり着いた珈琲豆。

 
 
 

それを焙煎する。焦がすことではない。熱の力で珈琲成分を変化させる。だから気が抜けない。温度と時間、香り、色の変化・・・まさに五感が必要。

 
 
 

焙煎後の豆を轢いて

 

轢きたての珈琲のそれはそれは「かぐわしい」こと。アロマ。

 

轢きたてが一番だから素人さんたちは1杯ごとのパッケージが美味しい珈琲を再現できる。

 
 
 

11つのスペシャル珈琲を楽しみに1週間分を自己焙煎しに参加するのも素敵な生き方だ。

 
 

かつて訪問診療先、ご主人が亡くなられて、奥さまは毎日お線香ではなく、ご主人の大好きだった珈琲を毎日入れるのが日課と話されていた。かおりがたつ瞬間、ご主人と気持ちが一つになるようです、と。

 

巷にはチープなコーヒーが溢れている。でもどうだろう、私の飲んでいる珈琲はどれだけ自分へ寄与しているのだろうか・・。

 

珈琲へのプリージング

 

改めて考える。これから過ごすアンチエイジング時代、それは「もう一度自分を生きる」がテーマだ。珈琲に問いかける。

 

あの時は失敗したけど、今度はこう生きれるよね。

 

ちょっぴりほろにがい。

 

帰宅の車窓からは岩手山の夕日。黄昏なのです。
 
 
ネルカフェでアンチエイジング

http://www.hachimantaishi.com/taiken/nelcafe/index0.html



 

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山形県のなす文化

2012年8月15日 20:07

伝統野菜は単にその種が受け継がれているだけでなく、人びとの暮らし、すなわち文化があってこそ存在意義を持つものである。



小野川温泉の特産、梵天丸茄子。



名前の由来は、伊達政宗の米沢に住んでいた幼少の時の名前(梵天丸)から来ているという。そもそも、梵天丸茄子が出来たのは上杉景勝公の時代、直江兼続公が窪田町家中(上杉時代のお菜場)の武士に窪田茄子を作らせ、上杉鷹山公が普及させ、それを昭和60年当時の米沢市農協が中心となって『窪田茄子と仙台長茄子』を交配させたところ、(窪田茄子の歯ざわりの良さと仙台長茄子の色彩の良さ)を取り入れた品種の茄子ができたそう。また収量が多く採れて、病気に強く、品質の良い茄子。この茄子こそが『梵天丸茄子』なのだ。






朝市で真っ先に購入。すぐに無くなる人気野菜。地元の方々が多く、観光客は身なりで良くわかるのですが、意外と少なかったですね。



皆さん良い顔をしている。



宿泊した旅館のご主人に浅漬けのレシピをいただいて・・・



漬けてみました。美味しい!



山形県のお米「つや姫」と頂く。同じ土地の食は相性が良いですね。



伝統野菜としては、鶴岡市民田(みんでん)ナス。伝来は諸説あるが京都から持ち帰ったもの、とする説がまことしやかである。



小さく皮が薄いナスはやはり漬物があう。



その他、米沢市窪田の窪田ナス、1600年に上杉家重臣の色部氏が越後から持ち帰ったとされている。




こちらは庄内・沖田なす、となっている。民田ナスに近いか・・・。



しかし知れば知るほどユニークな日本の茄子。縁起の良い初夢が 1富士、2鷹、3茄子 とされているように、茄子と人びとの繋がりは密なのだ。

1泊ステイで、すぐに帰宅しなければならなかったけど、やはり温泉は3泊4日くらいの湯治をしたいですね。こういった温泉街は貴重な日本文化です。女性1人旅でも大丈夫ですよ。

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ブッシュ・フード

2012年8月3日 15:00

与論島の薬草料理研究家・山悦子先生から本を頂きました。






昨年9月に訪問したときの様子↓↓


http://yasaioh.shopdb.jp/2011_09_01_archive.html


薬草と言うよりは野草と言った感がありますが、与論島では日常的に年中生えている植物を上手に毎日の食に料理しています。



野草はすなわちブッシュフード。ブッシュとは「しげみ・ヤブ・叢」という意味合い。オーストラリアのアボリジニの方々がこう表現するこの食は、加工食品、特にコンビニやファースト・フードの対局にある食事といって良いでしょう。アボリジニの方々はヨーロッパの人々が持ち込んだ食により、遺伝子に合わない食や暮らしによって健康状態をそこねてしまった(つまりメタボリック症候群)という歴史があります。日本でも同様の事が・・・。



野草ですから強く、もちろん農薬は要らず、強い分だけファイトケミカルが豊富、その強い風味はファイトケミカルを反映しています。



現代野菜の対極にある食物といっていいかもしれません。風味が無くて一人では育つことが出来ず、すぐに虫がつき、収穫後もすぐ腐る・・・。


ただしファイトケミカルは全てが身体に効用があるわけでは無く、むしろ微量の毒素を含有しているかもしれません。しかし少量ずつ毒素を体内に入れることにより、免疫や解毒機能が鍛えられ高まる、すなわちホルミシス効果を得られるということも解っています。



与論島の人々の生活は幸福とは何か、食とは何か、食べて生きていくとは・・・を改めて考えさせられるものです。



山悦子先生はそういった現代人への食の処方箋を、以前からから気がついていた様です。とてもおだやかな方で大好きです。



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アボカドにメッセージを載せて~野菜王の世界を医療へ

2012年8月2日 16:46

7月は食と健康に関するイベント、講演が4件ありましたが、株式会社ローヤル様からメキシコ産アボカドを提供していただきました。感謝です。

http://www.royal-jp.com/item/avocado-mex.html


先日の医師会講演会、野菜王の世界を医療にちょっとだけ持ち込むことができてとっても嬉しいのです。



しかし常々、伝統野菜とか地産地消をテーマの一つにしているのに、なぜ輸入食材か?



医学的に評価が高いのは伝統的地中海食。こちらはベジタリアン版ですが申し分なし。



日本食にも十分アレンジ可能です。図は日本人版ベジタリアンダイエットビラミッド。しかし一価不飽和脂肪酸が豊富な食材は日本ではなかなか手に入りません。たとえばオリーブオイルとかアボカドなどがそうです。



特段、ベジタリアンを推奨している訳ではありませんが、どうも肉・魚がグルメ、という風潮が気に入りません・・・。



日本食を完全な健康食にするためには主食を未精製穀物(玄米、雑穀、10割ソバ)にして、野菜・果物を太陽がいっぱい浴びた健康野菜にして、魚介類、そしてオリーブオイルやアボカド、ナッツ、乳製品を少々。調味料はもちろん、きちんと製造工程を踏んだ発酵食品です。



低糖質ダイエットが流行していますが、炭水化物を摂らなければ血糖はみるみる低下、肉と魚で糖尿病克服?まで言い切ってしまう方まで・・。



しかし動物実験では炭水化物(糖質)を減らしたマウスは動脈硬化が多い、と報告されていましたが、人間でも同じ結果が報告され始め、日本糖尿病学会でもインフォメーションを出しはじめています。同じ低糖質ダイエットでも植物性食品を主体に食している方々は心疾患、脳血管疾患、そしてガンに罹患するリスクは動物性食品主体の方々よりもかなり低いという事を教えて頂きました。



牛肉1Kgを生産するのに飼料作物11Kg、水産資源の枯渇化、増え続ける世界人口



野菜王は「プランツを食べなさい」と申していたではありませんか・・。



アボカドはマグロの食感を有し、一価不飽和脂肪酸が豊富。マグロは資源枯渇、そして水銀の問題が・・・。マグロには多価不飽和脂肪酸が豊富だから必須では?いえいえ、野菜王におまかせを!代替の植物「シソエゴマ」がありますよ!



講演会で私が主張したことは、同じ野菜でもその栄養価・ファイトケミカルの含有は違うということ。



株式会社:果実堂のベビーリーフは期待に応えてくれます。治療に推奨する野菜、これからのテーマです。また新たなミッションです。

http://www.kajitsudo.com/


サラダに欠かせないドレッシング、浅沼醤油の「キャベタリアン宣言」どんな葉野菜にも会います。お酢を加えるともっと健康的で、食後高血糖対策にも!


http://www.asanumashoyu.co.jp/

食事療法を楽しく出来る、それも野菜王のお仕事です。



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