食物繊維が体に良い・・あたりまえでしょうと答える前にもっと知っておいてほしい事
2010年2月21日 22:38
なぜ食物繊維が健康によいのか?便秘の改善だけではない消化・吸収にかかわる沢山のメカニズムに、単に排便に関わること以上にもっともっと沢山の働きがある。最近の食の傾向は食物繊維不足といわれているが、外食や中食に頼っていると野菜不足の生活が恒常的になる。知識を持つことで変えられる自分の未来がある。
我が家の朝食。母親業もしている私は3食子供の食事を準備する。こどもの身体が自分の料理にかかっているとなると責任を感じる。抗加齢医学を勉強してからよりいっそうそう思うようになった。
「ヒトの小腸内で消化・吸収されにくく、消化管を介して健康の維持に役立つ生理作用を発現する食物成分」が食物繊維学会での定義である。
食物繊維はその体内での働きを物理・化学的機能から見ると説明しやすい。
粘性、水分吸着の性質は便秘や大腸憩室炎を予防する。それに加え腸内細菌層の改善による有機酸生成、免疫機能正常化が大腸がん予防につながる。コレステロール、糖質、中性脂肪の吸収阻害が生活習慣病予防に繋がる。
食の変化により日本人の食物繊維摂取量は低下し、最近では1日平均摂取量は15-16gと推定されている(1日 25g は摂取して欲しい)。食物繊維の多い食材は野菜・果物・海草・きのこなど、一方、加工食品やファースト・フードの食物繊維量は少ない。
主食なら精製されていないもの、玄米、全粒粉パン、雑穀・・・・つまり白くない炭水化物を選ぼう。たとえば玄米ごはん100gで1.4g、白米100gで0.3g。また、おやつならリンゴ中玉半分(100g)は1.5g、カスタードプリン1個(150g) 0.0gで相当の違いがある。
この違いは「お腹もちの良さ」で実感できる。消化、吸収がおだやか、ということは血糖値、インスリン値の急激な上昇を防ぐ。インスリン分泌が多すぎると、その後の血糖値低下も急激なので空腹感を生じやすいといわれており、食物繊維の豊富な食事はダイエット成功のポイントだ。
従来の日本食は食物繊維が豊富。以前とりあげた地中海食との共通点だ。
脂質異常症の方でコレステロール合成阻害薬を服用している方は、腸管からの吸収が多くなると言われている。最近では腸管からの吸収を阻害する薬が発売された。
なんだか妙な気分だ。食の変化による体の変化を薬で・・・?
「薬を服用するだけではなく、食事に気をつける事」、あたりまえの事だけど、ここにベジタブル・フォーキャスターからの大きな愛情を。
あなたの今月のお薬代はおいくらですか?