アンチエイジングのために必須の知識・・・抗酸化物質

2010年2月28日 22:39

活性酸素は美容・健康に良くないと知ってはいるけれど・・・。

 活性酸素と野菜・果物の話を絡めると、美味しい野菜が見えてくる。それってどういうこと?抗酸化物質って一体何もの?

roma

その前に酸化ストレスについてお話。

生体内では酸素を利用する過程において種々の活性酸素が生成している。活性酸素そのものが効果的に働くこともあり必ずしも悪者ではない。われわれの体はこの活性酸素を消去する防御機構を兼ね備えている。この生成と消去のバランスの崩れが酸化ストレスと呼ばれ、脂質の過酸化反応、タンパク質の変性、DNA損傷、あるいは遺伝子の発現に影響を及ぼし、結果、加齢促進、生活習慣病、ガン発症の引きがねになると言われている。

 

難しい話はさておき酸化ストレス対策がアンチエイジングにとても重要。

1) 活性酸素の発生源から逃れる。具体的には喫煙、劣悪な生活環境、紫外線、過激な運動を避けること。

2) 自己の抗酸化能力を高める。活性酸素を鎮める能力(抗酸化能力)は年齢とともにしだいに能力が低下する。カロリー制限と適切な運動で抗酸化能力を高める。

3) 抗酸化物質の摂取。酸化ストレスを緩和する抗酸化物質(食事性ファイトケミカル、天然由来抗酸化物質)を摂取する。

 

このうちファイトケミカル(植物化合物質)は野菜・果物が産生する成分。これらは機能成分と言われている。

 

機能性成分とは?

微量でも摂取することにより、生体にいろいろな影響を及ぼす食品成分で、がんや生活習慣病の予防に重要な役割をはたしている。抗酸化能やタンパク質機能調節作用を持つ。


機能性栄養成分:脂質の一部、ペプチドなど

非栄養性機能成分:

ポリフェノール

フラボノイド(アントシアニン、イソフラボン、カテキン、ケルセチン)

非フラボノイド(タンニン、セサミノール、クルクミン)

カロテノイド

   β-カロテン、リコピン、ルテイン

キサントフィル

   カプサンチン

   アスタキサンチン

含硫化合物

   イソチオシアネート

   システインスルホキシド

・・・など。これこそが野菜・果物の色・香り・味の特徴そのものに直結する。

 

アメリカの「デザイナー・フーズ」計画で植物性食品によるがん予防を推奨している。野菜、果物、香辛料は重要度が高い順にピラミッド型に並べられ、ここでは野菜は「科」ごとに分けられているものがある。

USA


「科」によって共通の機能性成分を有することが多い。たとえばユリ科のネギ、にんにく、ニラは含硫化合物のうちシステインスルホキシドを共通の成分として持つ。ツンとした風味が想像できると思う。ネギが不作だった時に葉たまねぎを代用したこともある。

高知葉ネギ

タマネギ

garlic


ぶどうを考えてみよう。皮ごと食べれば、甘い、酸っぱい、渋い、皮は紫色である。

甘さは果糖、酸っぱいのは酸、渋いのはタンニン、紫色はポリフェノールである。ワインの風味を語るのに必要な知識でもある。ポリフェノールのアンチエイジング効果は評判通り。

ぶどう


話は少しそれるが渋みといえば柿だが同じタンニン。渋柿を食べ過ぎれば便秘になるが、タンニンは止痢薬の成分でもある。水溶性食物繊維のペクチンも豊富なので整腸作用もある。機能性成分が豊富な食材と表現できる。

kaki

野菜王ではこれからも野菜・果物をアトランダムに紹介していく予定だが、味覚のナチュラル・サイエンスをテーマに、必要に応じて株式会社味香り戦略研究所の協力のもと、野菜・果物の魅力を新しい切り口で語って行きたい・・・・。これが実に楽しく、美味しい野菜への追求の1つの手段でもある。

 

このファイトケミカルは未解明のものが多く、これからも身体への影響の研究が進み、野菜、果物が生きていくうえでいかに大切かが判明していくだろう。これからが大変楽しみである。

 

しかし環境汚染など酸化ストレスが増強しているといわれている状況は、人・野菜いずれにとっても過酷な環境のようだ。

 

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六本木農園

2010年2月26日 16:55

2月20日、岩手県の食のイベントで沢山の素敵な方々とお話させていただきました。岩手の食材を使った数々のメニュー。生産者も参加して食材を説明。私、野菜に関しては料理前の素材の味は熟知しておりましたので、調理でさらに洗練された味わいに。参加させていただいた価値は十分にありまして、関係機関の方々にお礼を申し上げます。今度は野菜王と酒王のコラボで新しい世界を創ってみたいです。

 

さて六本木農園。

roppongi


一品目。いつも食べている葉菜家のじゃがいも。私は医療モールの中の薬局の裏に野菜や雑穀を扱う小さなお店を持っている。薬を飲む前に考えて欲しい食の大切さを発信している。そこに葉菜家さんの野菜を置かせて頂いている。


それはさておき、メニュー
岩手県産まるごと野菜の塩釜焼きとグリル

potato



岩手のお惣菜盛り合わせ
・雪下ほうれん草とかぼちゃのスープ雑穀シリアルのせ
・雑穀と自然薯のワンスプーン
・大根と人参の重ね漬けトマトドレッシング
・マツモ牡蠣フライ

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shiitake

岩手短角牛のカルパッチョ特性味噌だれのせ

carp

南部せんべい雪見鍋

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三陸の海の恵みたっぷり炊き込みごはん


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ここでさっきまで静かに眠っていたとなりのお子さんがご飯を食べ始めた。これがとても可愛い。「美味しい!!」と元気に食べる姿はこちらも幸せになる。良い光景だ。お父さんもお母さんも素敵な方々。こんなファミリーが増えて欲しい。本当にそう思う。

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さて葉菜家さん。そしてもうおひと方、銀河農園の橋本さん。この方がたの野菜なら・・・と安心させられるお人柄だ。岩手県の農業に希望を与える。


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私のショップに野菜、雑穀、玄米、えごま油、国産オリーブオイルなどの真の健康食材を置いている。http://doctor-ls.com/hito/

一粒200円の生活習慣病の薬を服用するか、良い食材を食べるか・・・人生の選択はご自身であることも。

shop

最後に会場で、お会いした方々に改めまして「野菜王」よろしくお願いします。それから野菜王の世界の創造にもご協力お願いします。

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山葡萄ジュースとアンチエイジング

2010年2月23日 21:17

吉田類さんも絶賛の山葡萄ジュース

 

抗酸化物質で最も有名なブドウポリフェノール。豊富な量と種類のポリフェノールを持つ山ぶどうのジュースが岩手にある。一般的なブドウは米国系やユーラシア系、一方山ぶどうは東洋系に分類される。Wild grapeの英単語が表すとおり味も姿も自然感あふれる。冷涼な岩手で栽培される山葡萄をぎゅっと絞ったジュースの深い紫色、風味、率直さに岩手の魅力があふれている。酒王の吉田類さんがキンミヤを連れて会いにくるという情報・・・。

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子供の頃から飲んでいる。子供の頃は滋養強壮ジュースと思っていた。最近は焼酎との相性の良さに気が付いた。

 

酒王の吉田類さんの持つキンミヤと合コン。山葡萄ジュースと焼酎キンミヤ、お互いひとめぼれのようでして・・相性抜群。

 
kinmiya yamabudoh

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自身の味わいのほかに、味分析を加えるのがベジタブル・フォーキャスター流。味香り戦略研究所の分析結果を示す。岩手の山葡萄ジュース群と普通のジュースとの風味の深さは比較にならない。

図1二次元散布図

甘さ、酸味、渋み、塩味感(先味)、渋み(タンニン由来の先味)、その後余韻としての渋み、どれをとっても味のマップのエリアが広い。ここにクリアなキンミヤが純粋な情熱で語りかける。恋におちて当然だ。

図2平均値比較

また製品によって味マップも異なる。そのままジュースか、あるいはカクテルかで選ぶ山葡萄ジュースも変わってくる。そこは好みがはっきり分かれる。

スライド1

スライド4

山葡萄の基礎研究が岩手で行われている。

独)岩手県工業技術センター食品醸造技術部の小浜惠子氏にお話を伺い、資料を頂いた。山葡萄にはポリフェーノル類(プロアントシアニジン、アントシアニン、レスベラトロール)酒石酸、リンゴ酸、そして鉄やカリウムなどが普通のブドウよりも豊富。果汁の色を見ただけで解るようだ。アンチエイジング食材。

phyto

口にしても甘さと酸味のほかの複雑な味わいはさまざまな成分がたっぷりふくまれているからこそ。甘さと酸味だけのブドウジュースとはわけが異なる。


佐幸本店はこの地域の清涼飲料水、いわゆるサイダーで知られた老舗である。先代の社長が商品として出した「山のきぶどう」は、この地域であるからこその、それこそ地域ブランドのはしりだった。


yamabudoh

岩手県北部の冷涼な気候と豊かな自然は山葡萄の生産にむいていた。良米が収穫できないこの地域の産業を山葡萄加工品で地域を支えた。昭和48年頃から山ぶどう生産組合と試行錯誤で山葡萄を生産、オリジナルの商品を作り上げた。

 bottle

行政の推奨作物というものがある。岩手県北の山葡萄もその一つである。

正直、生食は美味しくない。

 

生産するといつでも販売が課題となる。販売戦略やら会議やら、奮闘中の様子は伝わってくる。そして、各地域で山葡萄果汁がしぼられて岩手特産の山葡萄果汁として、産直、駅売店で売られる。

 

類似品が多くなると本家本元の苦戦が強いられる。数ある山葡萄果汁製品の中で、自身の伝統を守りぬくという命題。野菜王でそっと支えたい。

 

ところで予防医学とアルコールは繋がらないのじゃあ・・・という疑問がわくかもしれないが、アンチエイジング医学では生き甲斐、幸福感は大切。女性なら1合程度で抑えて。明日への希望さらに胸キュンがあれば間違いなく若がえる。キンミヤ720ml 1本、やまぶどうジュース1本で1週間。高くないアンチエイジング。休肝日は山葡萄ジュースだけで楽しむ。あなたが思い描くのはどなた?

 

次回以降にポリフェノールなどの抗酸化物質のお話・・・・ディープです。

 

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食物繊維といえば根菜類。そこに見る若い女性のキッチン事情。

2010年2月22日 22:02

よく女性雑誌に「彼の心をつかむメニュー」という特集がある。

まあ、心をつかむなら胃袋をつかめという言葉もあるくらいだから。でも現実はちょっと違うようで・・・。

 

手作りはどうも苦手という男性は、ひとりの女性に縛られることがとても嫌い、といった人が多いような気がする。手編みセーターはとてもじゃあないがもらえないと言う。しかし今はそんな時代ではないのだろう。男女の関係もかなりドライで、都合のいい時間とか事柄を共有しているだけにも見えてしまう。お部屋で手料理・・たぶん無い。自分の食事も作らないのだから、キッチンはお湯を沸かすだけの場所の人が多いかも。

 

男性が好きなメニューは意外と限られている。その普遍的メニューの一つが「きんぴらごぼう」。

burdock1

ごぼうは実は日本だけで常食されている野菜である。伝播もとの中国では薬膳料理に使用されているに過ぎない。英語ではBurdock、犬の名前とか競馬場の一角みたいな名前だ。見た目は棒切れみたいだ。

 

でもごぼうは美味しい。歯ごたえ、苦味がよろしい。舞茸などのきのこや、牛肉、ドジョウとの相性も抜群である。カット野菜のコーナーに真っ白に漂白された千切りごぼうを見かけるが、はっきりいって形だけごぼうだ。ごぼうを水にさらすと水に茶色の汁が染み出る。まさしくこれがごぼうの風味であり機能性成分でもある。あくは昔ほど悪者扱いされていない。それになんといっても食物繊維の豊富な食材。きんぴらごぼう小鉢1杯で3gは摂取できる。

 

市販のお弁当のきんぴらごぼうは味が濃すぎる。さめても美味しく感じさせるためには味付けが濃くないといけない。こんな事情も日本人の塩分摂取量が減らない理由のひとつなのだ。

 

あまり料理が得意でなければ牛肉を使用すると大抵は美味しくできる。油や肉をあわせるとそれなりの味になるが、カロリーも高くなる。


burdock2

そして、かなりマニアックな領域のごぼうの煮付け。それこそマキの様な大浦ごぼうは16分割して煮物。かなり硬い印象だがコトコト煮ればホクッとなる。

私の好みではないがハチミツと煮込む料理もある。


burdock3

burdock4

burdock5

そうして少しずつ野菜を好きにさせていく。からだは健康になる。ごぼうのからだの癒しは、体がごぼうを再度欲し、心も体も彼女から離れなくなる。

 

あなたの近くにこんな素敵な彼女はいますか?でも金屏風みたいな爪をしていると、お料理はとても出来ないと思うけど。


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食物繊維が体に良い・・あたりまえでしょうと答える前にもっと知っておいてほしい事

2010年2月21日 22:38

なぜ食物繊維が健康によいのか?便秘の改善だけではない消化・吸収にかかわる沢山のメカニズムに、単に排便に関わること以上にもっともっと沢山の働きがある。最近の食の傾向は食物繊維不足といわれているが、外食や中食に頼っていると野菜不足の生活が恒常的になる。知識を持つことで変えられる自分の未来がある。

breakfast

我が家の朝食。母親業もしている私は3食子供の食事を準備する。こどもの身体が自分の料理にかかっているとなると責任を感じる。抗加齢医学を勉強してからよりいっそうそう思うようになった。

 

「ヒトの小腸内で消化・吸収されにくく、消化管を介して健康の維持に役立つ生理作用を発現する食物成分」が食物繊維学会での定義である。

 

食物繊維はその体内での働きを物理・化学的機能から見ると説明しやすい。

粘性、水分吸着の性質は便秘や大腸憩室炎を予防する。それに加え腸内細菌層の改善による有機酸生成、免疫機能正常化が大腸がん予防につながる。コレステロール、糖質、中性脂肪の吸収阻害が生活習慣病予防に繋がる。

 

食の変化により日本人の食物繊維摂取量は低下し、最近では1日平均摂取量は15-16gと推定されている(1日 25g は摂取して欲しい)。食物繊維の多い食材は野菜・果物・海草・きのこなど、一方、加工食品やファースト・フードの食物繊維量は少ない。


wild rice

主食なら精製されていないもの、玄米、全粒粉パン、雑穀・・・・つまり白くない炭水化物を選ぼう。たとえば玄米ごはん100gで1.4g、白米100gで0.3g。また、おやつならリンゴ中玉半分(100g)は1.5g、カスタードプリン1個(150g) 0.0gで相当の違いがある。

 

この違いは「お腹もちの良さ」で実感できる。消化、吸収がおだやか、ということは血糖値、インスリン値の急激な上昇を防ぐ。インスリン分泌が多すぎると、その後の血糖値低下も急激なので空腹感を生じやすいといわれており、食物繊維の豊富な食事はダイエット成功のポイントだ。

 

従来の日本食は食物繊維が豊富。以前とりあげた地中海食との共通点だ。

 

 脂質異常症の方でコレステロール合成阻害薬を服用している方は、腸管からの吸収が多くなると言われている。最近では腸管からの吸収を阻害する薬が発売された。

 

なんだか妙な気分だ。食の変化による体の変化を薬で・・・?

 

「薬を服用するだけではなく、食事に気をつける事」、あたりまえの事だけど、ここにベジタブル・フォーキャスターからの大きな愛情を。

 

あなたの今月のお薬代はおいくらですか?

 

 

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なぜ野菜を食べなくてはならないのですか?

2010年2月18日 15:41

なぜ野菜を食べなくてはならないのですか?幼稚園の子供を持つお母さんからの質問だ。

質問される機会は意外と多いし、案外そう思っていても「そんなことも知らないの?」と言われそうで質問できなかった、と言われたこともある。

 

これまでの人類の歴史はほとんどが飢餓の歴史だった。こんなに食べ物が豊富な時代に生きているわれわれは奇跡的なのかもしれない。

 

食べられるときに沢山食べ、体脂肪として蓄え、食糧のないあるいは作物が収穫できない期間は体脂肪をエネルギーに変えて生き延びてきた。だから収穫際は生きる喜びの日なのだ。このような時代は「なぜ野菜を食べなくてはならないのか?」という質問は無かっただろう。

 

ベジタブル・フォーキャスターの健康別人生三段階。
世の中が平穏という条件つきだが・・・。

1.  生殖年齢を生きる

2.  平均寿命を生きる

3.  平均寿命あるいはそれ以上の期間を元気で若々しく過ごす(アンチエイジング的生き方)
図3



長生きするほど老年期が長くなる。ホルモン年齢は変えられない。ケセラセラでふわふわと好きなように行きたい、という1)のヒトは、ともかく自分に責任を持って太く短く生きて欲しい。健康のために野菜を勧めるなんてしない。

2)のヒトは小学校で言われたことを思い出して生活を。3)をご希望される方は、アンチエイジングを勉強して実践してください。うまくいくと人生2度楽しめるはず。

 

野菜には下記の栄養素、非栄養素がたくさん含まれている。

1・各種ビタミン

2.ミネラル

3.抗酸化食品因子

4.食物繊維(水溶性、非水溶性)

 

なぜこれらが必要なのか・・

 

・私たちの身体は食べたもので出来ている。消化、吸収し、体内で再合成される。そうい   
った一連の働きをスムーズにするために、野菜は必要。


・紫外線、乾燥、電磁波、ウイルス・・・身体に良くないものは沢山ある。自分で自分の 身をまもるために野菜が必要。


・ケガをしたら止血、身体の中で病気のモトが出来たら自分の力で治癒しければならない。そのシステムに野菜が必要。


・いつまでも若々しくすごすために野菜が必要。

 

2)のヒトは小学校で学んだバランスの良い食事を実践。

3)のヒトはさらにGI値、脂質バランス、抗酸化食品因子を豊富にとることを心がけ、カロリーは80%に。ブログが続く限り後々説明していきたいと思う。

 

さて

ビタミン、ミネラルは食事摂取基準が決められているものが多い。最近では健康維持のためにはもう少し多くの摂取が必要と唱える研究者もいる。摂取が少なければ欠乏症、沢山取りすぎると過剰症という健康被害が生じる。野菜、果物を食べなければならない理由のひとつはこの栄養素の摂取のためだ。普通の食事であれば過剰の心配は無い。

 

しかしこんなに食があふれているのに、好きなものだけ食べていれば欠乏症となる。カロリーだけは過剰でも上記のものは欠乏気味・・・これが生活習慣病の食の問題なのだ。


図2

最近、高校生に食事の調査をした。これが標準的な食であるのは驚きだ。

 

食の選択が限られていても、そのバランスがよければ食の問題は今より少ない。私が小学校のときはそうだった。だから牛乳も大事だったし、肝油ドロップみたいなものも両親が用意していたし(私の場合そんなものは必要のないくらい新鮮で豊富な食材があったが・・)、叔母がパチンコのお土産にもってくるチョコレートが楽しみ、程度だった。

 

実はこういった栄養還元的な説明では食と人間の健康状態を評価できない。10人いれば10人の身体の働き方。同じ畑でそだつ桜島大根の姿を思い出して欲しい。生きると言う仕組みが命の情報にプログラムされていて、どんな環境におかれているかで更にさまざまに変化していく。

 

 

日常の食事とヒトの健康状を調べる方法は疫学調査で行う。沢山のヒトの生活状況を最初に調査し、その後追跡していく。長い歳月の観察中、どんな病気のヒトがどれくらい発症し、その人たちのライフスタイルはどのような傾向があったのか。病気とライフスタイルとの因果関係を統計的に推察するのだ。おおまかな傾向はわかる。自分だけはタバコをすっていいてもガンにはならない・・・そういった淡い期待(自分だけは大丈夫)をもつヒトは多いが、その「傾向」「確率」はたしかに存在する。

 

よく「いつまでも若々しくいたいから、私は○○を毎日続けています」といったふれこみの食品はある。ああそうですか・・。

 

機能性成分をうたい文句にした特定機能食品は多い。厚生労働省のお墨付き。ああそうですか・・。

 

ちまたにあふれるサプリメント。ああそうですか・・・。

 

長期的な検証は行われていないから返答のしようが無い。最初は「よし」とされてもその後「やはり効果なし」とされるものが実に多いことか・・。「よし」とされる理由が経験であったり動物実験だったり、検証のしかたが良くないヒトでの調査だったり・・・。


図1

野菜をどれくらい食べているかで病気にかかるリスク、あるいは死亡するリスクはどう変わるのかを検証した疫学調査は多く、それらをまとめて(多重)解析した報告は多々ある。野菜をほとんど食べていないヒトのグループは確かにきちんと食べているヒトのグループより病気にかかるリスクは高いという報告多々。

 

野菜の抗酸化食品因子や機能性成分はまだまだ良く解っていないらしい。一説によると数パーセントくらいしか判明していないのではないかとも言われている。かなり複合的といわれている。サプリメントではその効果が期待できないばかりか、逆の結果になることもある。

 

まだまだ未解明なのだ。だから野菜・果物を食べる。

 

ただしいろいろな野菜・果物があるから、できるだけベストなものを多品目食べる。

 

食と健康は永遠のテーマなのだ。でも野菜王は知っている。

 

次回からはそれぞれの野菜の成分と健康・美容について解説したいと思う。
ついてきてね!

 

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なぜ野菜を食べなくてはならないか?の質問に栄養学的に答える前に・・・

2010年2月16日 23:28

なぜ野菜を食べなくてはならないか?の質問に答える前に・・・だって美味しいんだもの!

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いつも食べている野菜を作ってくれる農家さんを訪ねる。

雪深い地域のハウス、正式には施設栽培。なんだか雪にイチゴののぼり旗はちょっと不釣り合い?最近は日本全国でイチゴ栽培が盛ん。西のあまおう系・さがほのか系、東のとちおとめ系の神話はくずれつつある。

person


葉菜家 (hanaya) さん、若くてしぶい農家さんだ!野菜のアーチスト。

「うまけりゃ文句ないでしょ」が口ぐせ。はい!文句なんか言ったことありません。

 

ここにくるといつもテストされる。

「これは何だ?」「ハイ、ワイルドルッコラ」

「じゃ、これ」「うーん、丸葉(大葉)春菊」
「なかなかやるねぇ」

「で、これ食べて当ててみて」
「・・・・・」


taste


にやりと笑って差し出された葉野菜は・・・うー鼻に抜ける辛さ。

マスタード系の葉野菜だった。やられた!

 

面白い葉野菜が沢山。外は雪なのに・・・。特段暖房を入れているわけでも無い。それぞれ強烈な姿と味をしている。食べたこと無いでしょー。私は週に何回か頂いている。


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これはカステルブランコ


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トレビスの仲間、高級イタリアレストランのお皿の一枚で絵になる。最近の傾向だが「野菜のおいしいレストラン」を名乗るところは、こんな野菜を皿の上でお絵かきするように並べて出している。見栄えは良いが、別になんのことは無くただのサラダであるが特別の料理になっている。

 

メニューの記載も面白い。雑誌に載っていたが「伝統江戸東京野菜・世田谷大蔵大根と京都・九条ネギ、秋きのこのフリカッセ添え」つまり大根と葉ネギときのこにホワイトソースで煮た鶏肉が付いてくるのか。文字変換してようやく味が想像できてくる。

 

雪のなかにある野菜は、これもひとつの寒じめ。うまさがひと際上昇する。紫キャベツと雪の色が幻想的。


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自慢のイチゴ。柔らかくてジューシー。マル秘のイチゴも食べさせていただいた。ふふふっしあわせっ。やわらかくて果汁が多くやさしい甘さ。まだ正式な名前は付いていないらしい。

人生最後の食にしたい。名前は決まり「最後の晩餐」、返事「だめだ、暗すぎ」「・・・・・それもそうですよね・・」


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彼がよく言うセリフ。エサみたいなモノを食うな!最近の日本人の「食の餌化」は著しいとか。


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彼が交配選定した南部一郎かぼちゃ。東洋種系。実は眺めているだけでまだ味わっていない。実は美味しさの理由づけのある姿カタチ。

 

そして娘におみやげのイチゴ。艶々。宝石みたい。暖かい地域だけの美味しさじゃぁない。

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この農家さん、私が勝手に野菜王候補生にしている。

2月20日土曜日15時~東京の六本木農園(レストラン)

でトークをする。私もちょっとだけ参加する。野菜王を探しに・・・。

 

食べる理由、十分にあるのです。食べない理由の方・・お気のどくさま・・・しかし探せばたどり着けるはず。次回は本格的に栄養学的野菜必須論。

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おそらく世界で始めて処方された「有機ベビーリーフ」という野菜

2010年2月14日 23:37

薬学を世に応用し続け、数々の功績を残す株)果実堂の井出博之会長が設計、製作し続ける有機ベビーリーフは、実は究極のアンチエイジング食でもある。

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薬学博士である井出会長は以前、公害病裁判関係の化学的な判定にもかかわる重要な任務についていたらしい。人が生きていく環境も健全であってこその心と身体の健康という大切なことを実によくご存知だ。実験マウスの会社を立ち上げ、軌道に乗ったところで、次は「野菜だ!」と新しい領域に踏みこまれた。

周囲にはあまりにも唐突にみえたかもしれない。しかし、そこには「人類のしあわせのために科学を駆使する」頭脳明晰かつ人間愛にあふれた井出会長の「仕事」があった。

 

井出会長は抗加齢(アンチエイジング)医学を大変よくご存知である。親から受け継いだ遺伝子によってある程度の健康度(頑丈さ)は規定されているが、その後の悪い生活習慣によって病気にもなるし、逆に磨き方がよければ(健康にプラスになる生活習慣)いつまでも若々しくいられる。ここは私のアンチエイジング医学の講演でも必ず最初にお話するところである。

 

薬による治療の進歩よりも生活習慣の修正、薬による治療から予防への時代、そのための食生活の重要性なかでも野菜、果物についての大きなウエイトを強調されていた。

 

私が野菜ソムリエになった理由と共通している。本当に嬉しく光栄である。しかしスケールが違う。ここまで変化してしまった若年者の食生活。簡単に「野菜摂取の増加を!」とさけんだところで、いざ食べようと思った野菜が美味しくなかったり、栄養価が低下していたら話しにならない。

 

数ある野菜の中から栄養性、機能性の高い葉野菜を選び出し、安全性を兼ね備えた栽培方法で生産し、いくつかの葉野菜をミックスすることで味、栄養価のバランスを整えた。

 

野菜に豊富な健康に寄与する機能性成分はまだまだあるらしい。サプリメントでは野菜を食べることに遠く及ばない。そしてその野菜を市場に流通させている。すなわち野菜を世に処方しているのである。尊敬という一言に尽きる。

 

仕事はそこにとどまらない。環境そして日本の農業の未来まで見据えたメッセージの数々は自然科学に携わる私たちの心の隅々まで浸透し、時として不明確になりがちな「働き」にミッションを与えてくれる。

 

井出会長の処方された野菜は流通という経過で処方されている。

 

医薬品のようにかならず「ゾロ品」は出てくるだろう。今度は土壌づくりまで科学しはじめた井出会長の仕事が続く限りは、他の追随は無い。

 

次回は「野菜を食べる事の健康・美容のメリット」を・・・。

 

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