野菜王的処方箋・・・夏バテ対策の前に慢性疲労の知識

2010年7月27日 23:15

暑い日が続と「夏バテ対策」「疲労回復商品」が売れるようになる。でも本当に有効なの?効果が無くても満足すればそれで良い?ちょっと検証してみましょう。


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疲労の定義は様々ですが「作業効率の低下」とされる研究がいくつか見受けられます。疲れは肉体労働の結果の疲労とは異なり、精神ストレス、環境ストレス、感染、消耗性疾患、睡眠障害、運動など原因は複合因子で、慢性に経過している状態です。

 

暑い日が続と環境ストレス(暑さ、冷房の効きすぎ)、熱帯夜の睡眠障害により慢性疲労はさらに増強してしまいます。

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夏バテ対策は涼しさの演出やこってりした食べ物などが多いような気がしますが、食という観点からするとちょっと異なります。

 

抗疲労食品の研究論文から、作業効率、自覚症状、酸化ストレスマーカーを指標にして検証するとイミダゾールジペプチドという物質がいずれの指標でも疲労を軽減するという報告がありました。酸化ストレスの知識は過去のブログ2010/2/28参照。

 http://yasaioh.digital-dime.net/archives/1257652.html



イミダゾールジペプチドは鶏胸肉に豊富だという。ほぅ。

 

「やっぱり肉!スタミナじゃないか!!!」と言われそうだが・・・冷静に冷静に・・・

 

疲労と食事について食事調査がなされている。調査結果によると疲労を感じているひとたちではエネルギーその他ビタミン、ミネラルとも「取りすぎ」の傾向があったようです。

 

スタミナ食とは「うな重」ではないようです。すなわち「バランスの良さ」「栄養密度の高さ・・・カロリーは適量。野菜の中でもでもビタミン、ミネラル、フィトケミカルが豊富に含まれた高品質のもの」ということになります。


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疲労対策商品は良質の野菜!夏野菜はお勧めです。ゴーヤ、ピーマン、なす、トマト、オクラ・・・1つ1つ取っても抗酸化能が高い野菜です。ガーリックを効かせて内容がっちり!適量に!賢い夏バテ対策。美肌料理にもなる!

 

最近では森林セラピーが酸化ストレスからの回復に役立つという論文が出ています。

 

アンチエイジングも出来ちゃいますね。

 

なんたって美味しい!今日も食べて元気。

 

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ビーマンかトウガラシか?・・・ぼたんこしょうという愛らしい野菜

2010年7月25日 21:14

私の言う「おいしい野菜」の1つがこのぼたんこしょう。野菜らしい味がする。これはカプサイシンすなわち辛みをもったトウガラシの仲間。カタチがピーマンでもなくパプリカでもない、かといって名前の牡丹ともちょっと違うのだけど、食べるとすっきりとした辛味が身体を駆け抜ける、特別な野菜なのです。


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長野県中野市斑尾にぼたんこしょうの保存会があります。昨年、訪問。

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標高が高い場所でこんな風に栽培されています。生産している方も素敵です。


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今年は中学校PTA行事のためにおとり寄せしました。
シルクを折りたたんだよう・・。

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子供たちも、うん辛いね!


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お母さんたちもびっくり「あ~からい」


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いつものメニューでも特別な野菜で特別なメニュー。食べたあとじんわり熱くなり汗がにじんできます。夏ばて防止には鰻よりもぼたんこしょう。

 

タネ屋さんたち。真似して似た様な品種を作らないでね。歴史には勝てません。



 

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チコリの花に願いをこめて・・・

2010年7月20日 21:58

チコリ村から「ちこちこ焼酎」が届いた。チコリのお花がラベルに描かれていた。

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先日のブログで紹介したチコリの花の根元であるチコリ芋をいただいた方からだった。醸造家でありながら書も絵画もこなす、まさにアートな方なのだ。


http://yasaioh.digital-dime.net/archives/1418682.html

http://yasaioh.digital-dime.net/archives/1391340.html

 


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チコリを生産したあと残る根っこの部分(チコリ芋)を活用すべく焼酎にしているという。母体である株式会社サラダコスモは大型施設栽培のグループ会社で、もやしやスプラウトなども生産している。

 

岐阜県中津川市にあるチコリ村には元気なチコリ女性たちが運営するチコリレストランがある。またチコリコーヒーなどの加工品も販売しているという。

 

食の「まともな企業」が誘導する地域づくりのモデルケースかもしれない(実際この目で確認していないので憶測だが)。


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醸造家の豊岡氏が描くチコリの花。開花時間がとっても短く、花びらも柔らかすぎて触るのもためらうようなチコリ花のはかなさを、悲哀感なくむしろ誇らしげに表現している。


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花の内側の、なんの衒いも無いおしべとめしべを見ると、かつてこんな素朴な恋愛もあったかな・・・そんなことを思い出す。

 

だからなのか・・・ボトルもブルーなのに暖かさを感じる。

 

最近、私は「酒づいている」が、特段お酒に詳しいわけではない。酒は好きだが、お酒の周辺の人や文化が野菜の世界に近く、そんなことでさまざまなお酒に恵まれているということなのだ。

 

梅酒、果実酒のほかにこういった野菜のお酒があるのは自然な事。野菜という青果物はいつでもリスクを伴う。加工品であるお酒は利益率が高いし規格外野菜を有効利用できる。だが最近は類似品が多くなったのも現実だ。

 

お酒とお酒の文化・コミュニケーションは野菜王処方箋の1つ。ある一定の枠にはめられて生きていかなければならない現代社会。心も身体もお遊びできるお酒は「安定剤」「抗うつ薬」よりは人間の命のしくみに則っていると思いますが・・・。

 

種をまき収穫し、収穫の喜びを分かち合う。愛する人に花を、ブライダルにお酒と花びらのシャワー、お葬式に花をたむけ食とお酒を囲んで故人をしのぶ。いつもそこに地元の醸造酒や郷土料理があったはず。

 

普遍的な人の生活はいつしか遠いものになった。

「否定はしない。ただ未来は創りたい」野菜王はそう語る。

 

チコリの花に密やかな愛を託すべく岐阜県中津川市のチコリ村を訪ねてみよう。もしも豊岡氏にチコリの花を描いてもらえたら・・・・その愛は永遠になるかもしれません・・・伝説は始まります。

 

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男性より女性が長生きな理由その3・・・探し続ける青い鳥

2010年7月19日 18:18

日本人女性は元気だ。最近、日本が元気を無くしているからそのように感じるのか・・・?

 

いや、そうではなさそうだ。思い違いかもしれないが、媚をうる女性が少なくなった。わたしは私。○○氏の奥さん、とか○○ちゃんのおかあさん、という属での呼ばれ方も少なくなった。まぁ既婚率とか出生率も少なくなった事もあるだろうが。


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南部美人酒造(岩手県二戸市)の酒蔵で開催されたゴスペルコンサート。

東京からいたしたメンバー。日中は会社員さん達とか。


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お酒のケースをテーブルにして折り詰め弁当がローカルさを引き立てる。


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歌う、シャウトする。自分がヒロイン。自分たちが輝く瞬間を自身で作り出す。

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素人意見ですみません。「ものすごくうまい」って訳ではなかったのですが、気持ちよく思いのたけを歌に表現する彼女たちに「自分自身を生きる最高のエンターティナー」を感じました。彼女たちに今夜も青い鳥は見えたことでしょう。


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日本人男性の皆さん。小金稼ぎもいいですが、かっこよく自分自身を生きてくださいな。ワールドカップにも野球にも日本人男性の美しさが出始めてきたじゃぁないですか。

 

ビジネスの青い鳥は売上アップではなく「社会で認められる自分」かもしれません。それは日本の未来へ繋がります。


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ところで南部美人酒造の蔵元さん。ちょっと瘦せればいい男かも・・・余計なお世話のベジタブルフォーキャスターは未来を語らずにはいられません。

 

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♪赤く咲くのはケシの花~♪ チコリの青い花が咲きました!

2010年7月15日 22:45


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待望のチコリの花。朝方そっと咲いて、昼にはすぐにしおれます。



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5月下旬にマイ・ファームにやってきました。


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 軟白栽培の色白チコリだったのですが


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日光を浴びてすこしずつ光合成を始め・・・


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いつの間にか爆発してにょきにょき伸びました。都会の箱入り娘が田舎にお嫁さんに来て、最初は大人しかったのに・・・いつしか爆発して地域おこしをしましたっていう感じです。


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蕾が見え初めて、いつ花が咲くかとわくわく・・・


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咲きました・・・。純粋にキレイです。

 

青い花は神秘的。待っていてよかった。

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沖縄 26 ショック ?女性が長生きの理由その2

2010年7月10日 3:31

かつて沖縄県は男女とも長寿日本一だった。沖縄料理といえば長寿食の代表。それなにになぜ・・・?

その前に最近手に入った沖縄野菜の数々。

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ゴーヤ、ナーベラ、島ラッキョウ、シカクマメ・・個性派野菜で味も香りも強烈だが、これがまたたまらない。



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フルーツも南国。



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ゴーヤチャンプルーは家族のリクエストでよく作るが、今日はニンニクをたっぷりにベーコンでまとめ韓国のりを散らしました。



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シカクマメはもたもたしていると変色するのでテクが必要です、いただいたトマトと。



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マコモダケは高級食材。見た目以上に味の領域が広い食材です。なるほど。

 

以上、合計30分で仕上げました。


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島ラッキョウは沖縄中央市場の八百屋さんのアドバイス通り、塩で揉んで寝かせただけです。これが美味しいのです。

 

ここでやっと本題。沖縄料理はこのようなフィトケミカル豊富な野菜をふんだんに使用。苦かったり辛かったりニオイがきつかったり・・・豚肉は煮こぼして余分な油を使用。食塩の使用も少ないのです。一般に香辛料や香菜の使用が多い料理は塩分をあまり使用しません。

 

このような食事を取れていればよかったのですが・・・沖縄はご存知米軍基地の関係で本土より20年早くファストフードが広まりました。そして離婚率が高い沖縄、勤勉な沖縄女性は自分の食事は自分で用意していましたが、男性は手近かなファストフードの利用が多かったとか。その結果・・男性は短命、全国1位から突然26位になってしまいました・・。

 

沖縄野菜美味しいのにね。それにこんなに簡単クッキングでも味はハイレベルです。男性もお料理をして自分自身を守ることが大事だと思っています。

 

 

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やはり女性のほうが長生きな理由その1:ごはん

2010年7月7日 23:02

男性を観察しているとその生態はなるほどあまり長生きするようにできていないなぁと感じることがある。瞬発的な仕事、特に急患のときの動きは「戦いモード」でとても適わない。ただし働いていないときはずっと寝ている。役に立たない。一方、持続することについては女性のほうが長けている。それから食事。ドンブリものを短時間で食べる男性のワザ、揚げ物が大好き。特に「鶏のから揚げ」がなぜだか大好き。一方、白いご飯以外は食べたがらない。野菜は食べなくては・・・という義務感だけで食す。玄米?勘弁してくれよ・・。そんな声も聞こえてきそうだ。

 

白い主食は茶色にしよう!・・・未精製穀類が2型糖尿病のリスクを低下させる、という調査研究がある。

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玄米、雑穀、全粒粉パンなどは精製されていない分だけ食物繊維やビタミン、ミネラルが多い。さらにGI値も低い、すなわち血糖の上昇が緩やかな分、膵臓に優しい主食ともいえる。

 

アメリカ・ハーバード大学研究チームの報告だが、日常的に食べる主食の白米を玄米に置き換えると2型糖尿病のリスクが最大36%も低下するという。

 

アメリカ人の米消費量は増加しているのだそう。ただし白米がほとんど。

 

それにしても日本人の糖尿病予防にも同じことが言えるのでは・・。

 

食後の血糖上昇に影響する因子として

単糖類、多糖類の構造、

加工・調理(でんぷんのゼラチン化の割合、粒子サイズ、食物形態)

その他(脂質、タンパク質の存在、食物繊維、有機酸)

などがある。

 

同じ400Kcalの食事を摂取しても身体の中での動きは食材・調理によって異なる、というものだ。

消化吸収のスピードが速いと血糖値の上昇カーブも急峻。あわてて膵臓からインスリンが分泌される。この繰り返しは膵臓の疲労をまねく。疲労が慢性になるといよいよインスリンを分泌できなくなり糖尿病が発症する。

 

常にストレスフルな単身赴任サラリーマンが生活習慣病の道を歩むのは残念ながらあたり前といっても良いのかも・・・。

 

白いご飯でも食物繊維たっぷりの野菜メニューと一緒にたべることで血糖値の急激な上昇を抑えることが出来る。

 

宮澤賢治みたいに1日6合の玄米は多いが1日2合ならデスクワークにフィットしている。へたなウーロン茶より玄米食が身体に優しく理に適っていますよ。

 

沖縄県は長寿・・・は昔のことらしいです。26ショックという言葉がありまして・・男女とも長寿ナンバーワンだったはずが・・・男性がいきなり26位に・・・・つづく。

 

 

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伝説ではマカより本番に強いアーティチョーク

2010年7月4日 23:51

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アンチエイジングの相談で更年期の体調不良がある。女性はわかりやすいが男性は意外とわかりにくだろう。そもそも閉経に匹敵する表現が知られていない。Morning E が見られなくなる事、だそう。 年齢問わずその手の食品は気になるらしい。新聞広告で「ずばり」の表現はないが「あのころの輝きをとりもどす」と記されていた。 輝きってなんだ・・・?栄光か名声か・・・?まあ何でも良し。

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アーティチョークの可食部。やっぱ「そっち系」に見える。

色々なフィトケミカルを持っています。炭水化物も多いので深い味わい。ソラマメと竹の子を足して2で割ってチコリをほんの少し混ぜたような味です。

解らない?旬ですからある程度大きな都市のイタリアンレストランにメニューがあるかもしれません。

ラベル:

はてしない自分探し・・自分を生きること

2010年7月2日 20:32

高校生の食育をテーマに与えられている。ご縁があって盛岡スコーレ高校を訪問させていただいた。

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校長先生は素敵な方。専門は詳しくはお聞きしていないが色彩・デザイン関係というから納得。

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この高校は総合学科。自分の進むべき道を見つけ「何のために何を学ぶか」を自分で決める。進学、調理、園芸、福祉系、芸術系とさまざま。なんとなく普通科へ進学してなんとなく4年生大学へ進学・・という多くの学校とは異なる。

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将来の自分はすぐには見定まらない。大人たちも、自分とは何で何処へ向かうべきか、なんて解っていない。ただ毎日同じ事を繰り返し、喜んだり悲しんだりしながらも酒を飲んで寝てしまう・・・翌日同じ生活、が関の山だ。

 

生きていく・・・訪問して感じた。社会に放りだされてすぐに機能できる人間。



 
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芸術のクラスの生徒さんが製作した「まぐろ」。ホンモノより本物らしい。

 

担当の先生はフランス帰り。フランス人っぽさもある方。

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この日は1年生の学年食。調理を選択した生徒がメニュー、栄養価の計算、調理まですべて行い、学年生徒、学校職員に昼食を用意してくれる。

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今回が初回のメニュー。華やかさはないが、塩分は抑えてあり,
柔らかな味わいが心と身体にやさしい。毎日の食はこうあるべきなのです。




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自分の子供と同じ年の生徒さんと過ごして・・・母の気持ちにはならなかったけど、生きてきた先輩として彼らに心からのエールを送った。



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創立当初から掲げる理念。生活即教育。そう・・生きていくこと即ち食べること、食べていくことだよね。


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1年生の部屋にあったフラッグ。この言葉は生活習慣病の大人たちにも送りたい。

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校歌はさわやかなメロディ。日本語・英語・韓国語。

生きるという事はすべての世界へ通じている。

 

そして自分自身をきちんと生きる人が多いほど、世の中は輝いてくる。


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